江戸のデリバリー⑯ 粧いをとどける


《春雨豊夕栄》歌川豊国

散髪…理美容どちらに行くか…
あまり髭が伸びず髪の毛は、
量もいまだ十分な虎次郎。
1ヶ月も行かないと、
寝癖で朝がとても憂鬱。
新コロでの影響を見込んで、
理髪をしてもらったけど。
限界が近づいて来ました(T_T)

《髪結い》西川祐信

『守貞謾稿』をみると、
大坂の廻り髪結いは、
床場で結うと32文ところ、
「訪問結髪」では
一ヶ月あたり150文
江戸の廻り髪結いは、
床場だと28文と
大坂よりもやや安いが…

《髪結才三》歌川国貞

女髪結は
1回200文だったそうで、
「憧れの髪型に!」
「あの男前に斬られたい?」
いわゆるカリスマが
登場していたやも知れません。
ただ快く思わないのが幕府、
贅沢を禁じて女髪結にも
その処分はおよびました。
ちなみに200文だと、
今の4万円くらいです。

《佐野川市松の
  べにうりおまん》
 奥村利信

江戸中期の女形の歌舞伎役者
佐野川市松が扮する
「紅売り」の姿。
紅は口紅としてはもちろん、
頬紅目元にも…

《美艶仙女香》溪斎英泉

文化文政頃…
下唇に紅を重ねて、
玉虫色に光らせる「笹色紅
という化粧法がありました。
紅は重ね塗ると緑色に
光るのでこう呼ばれたと。
ほんのり薄くつけるのが
基本でしたが…

《職人尽歌合》より紅粉解

紅花から抽出する紅は
「紅一匁、金一匁」
とても高価なもの。
豪華な化粧法は、
遊女からはじまった
トレンドだったのやも
知れませんね。

《浮世五色合 白》
 二代 歌川豊国

白粉化粧の基本は、
化粧下地に化粧水や鬢付け油、
粉末状の白粉を水で溶き、
指や刷毛でのばして塗る。

《浮世五色合 青》
 二代 歌川豊国

1813年に発行の美容書
都風俗化粧伝』、
「一回に全ての箇所に白粉を
 はじめにつけてしまうと、
 白粉が乾いて固まり、のびにくく、
 艶もなくしっくりしない。
 眉刷毛に水をつけて
 丁寧になんども刷けば、
 白粉がよくのび、艶もでる。

《職人尽歌歌合》より白粉売

 乾いたら紙を顔にあて、
 水をつけた刷毛でなんども刷くと
 いっそうしっくりくる。
 また、粉白粉をつけた後、
 湿ったてぬぐいで目の上、
 まぶたをそっと押さえると
 濃淡が出て
 顔がお面のようにならない」

《名筆浮世絵鑑》歌川国貞

もうひとつの色は黒…
ここでは「お歯黒」ではなく、
眉化粧のこと。
ただし…
結婚を前後にお歯黒をし、
子供ができると
眉を剃り落すのが慣習。
まさに眉を引けるのは、
若い子の特権でもありました。

《山海目出多以図会 
 くせが直したい 相州鰹魚釣》
 歌川国芳

江戸時代は化粧や髪型で、
身分・階級・地域や
未婚・既婚、
そして…年齢までも。
虎次郎はショートカットで、
眉はスッキリ
ボクの好みの話は、
興味ないでしょうから。
この辺りにいたしますm(_ _)m

※このブログはポーラ文化研究所のHP
 参考にしました。

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