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なごやの近代化産業遺産をあるく① ノリタケの森

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Xmas 前に訪れた 名古屋 ! 近代化産業遺産を ぶらりと… 活気のある名古屋ですが、 支える企業があちこちに。 そのひとつ 「 ノリタケカンパニー 」。 クリスマスムード満載でした。 創立者 森村市左衛門 が 福沢諭吉の助言により、 貿易商社「森村組」を 1876年に創業がルーツ。 弟 森村豊とともに ニューヨークに輸入雑貨店 森村ブラザーズ をスタート。 パリ万博で出逢った 絵付陶磁器を契機に、 輸出用洋食器の製造を 目指すこととなったそうです。 1904年  日本陶器合名会社 を創立、 欧州より導入の製陶機械や 石炭窯を用いて技術改良。 1914年に 日本初の白色硬質磁器の ディナーセットを発表、 「 ノリタケ 」の名を 世界に広げられました。 「事務本館」 名古屋を代表する建築家、 鈴木禎次 の晩年の作品。 1937年(昭和12年)建築、 鉄筋コンクリート造、 地上3階一部4階、地下1階。 角地に建ち、外堀通りに面した コーナーを湾曲させた壁面 。 壁面には、 磁器タイル が貼られ、 正面性や装飾を排した特徴は、 モダニズムのお手本のような、 事務所建築と評価されています。 いまも現役の建物は、 株式会社 ノリタケカンパニー リミテドの本社事務所。 日本陶器合名会社が創業した 明治37年(1904年)に 建てられた煉瓦造の工場建築。 森村市左衛門 ら創業者署名の 宣言文が埋めらていて、 創業時から現存する唯一のもの。 外壁の赤煉瓦は、 オランダ積み。 オランダ積みの代表格は、 横浜赤レンガ倉庫 ですが… 場所によってはいろんな 積み方が混在しています。 もとは明治末期… 1927年に改修され、 外壁に当時の煉瓦が 残されています。 6本煙突 とよばれる 陶磁器焼成用の トンネル窯煙突の跡。 昭和初期に建造の大煙突は 高さ45メートルで、 テレビ塔が建てられるまでは、 名古屋城 と並んで 高い建造物の一つでした。 1979年に工場移転とともに 上部が撤去され、 いまは「 ノリタケの森 」の シンボル的存在です。

トヨタ王國をあるく① 紡ぐ織る

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『 木綿往生 』という 言葉があります。 かつて木綿は自家用に栽培、 一家の女性の手によって、 糸にして織られ… ただ…くたびれた着物は、 作業着へ繕い繕い、 限界に達して 小さく切られ雑巾に。 さらに紐に撚り 灯心となって… 天寿がまっとうされる。 糸を紡ぎ布をつくる、 紀元前5,000年以前のこと。 人類が最古の技術は、 紡ぐ・織るの基本作業は、 実は昔も今も変わらず。 工程をいかに早く、 省力化するか… 名古屋市西区則武新町にある トヨタ産業技術記念館 を たずねました。 赤レンガの建物は、 織機の研究開発のために 豊田佐吉 が創設した 試験工場でした。 館のシンボル展示の、 近代化産業遺産  動態展示。 豊田佐吉が1906年に 発明した 環状織機 は、 「動力を空費せず、  超広幅の布を  静かに製織できる」 。 回転円運動によって、 布を織り上げる「夢の織機」、 世界19カ国で 特許取得されたものです。 記念館は「 繊維機械館 」と、 「 自動車館 」の二ゾーン… 近代化産業遺産指定の 「無停止杼換式豊田自動織機  (G型)第1号機」 。 杼 (ひ)とは … 織物を織るときに、 経糸(たていと)の間に 緯糸(よこいと・ぬきいと)を 通すのに使われる道具。 高速運転中に スピードを落とすことなく 杼を交換し、 よこ糸を自動的に補給する 自働杼換装置 を備えています。 G型自動織機の組立ラインが 再現されていました。 チェーンコンベアを用いて、 流れ作業で組み付けが再現。 豊田喜一郎 はこの組立ラインで 量産を実現したのです。 そして… 自動車組立の 従業員訓練の場 ともなりました。 トヨタ生産方式 の原点がここに… 繊維機械と自動車製造へ の 繋がりを感じさせる場です。 こちらも 近代化産業遺産 、 「豊田式汽力織機」 一人で3〜4台も運転でき 生産性が従来の20倍に向上、 木鉄混製の安価でかつ堅牢。 ドイツのハルトマン社製の 動力織機の872円に対し、 38円で販売 されて、 全国に広く普及しました。 こちらは信濃の技術者、 臥雲 辰致 (がうん ときむね) が...