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イケフェス大阪2017 日本基督教団天満教会

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イケフェス2017 ラストは、 鎮ブロック工法 の教会建築 「 日本基督教団天満教会 」です。 5年前に保存・改修工事を行われ、 耐震性強化とともに バリアフリー化を 実現されました。 礼拝堂の音響調査も 実施されたとか… 「 鎮ブロック 」工法とは、正式には 「 中村式鉄筋コンクリート建築法 」 と呼ばれ、1921年(大正10)に、 教会の設計者 中村鎮 さんが 特許を取得されたものです。 先に鉄筋を立てて、 板片状の L字型をしたプレキャストの コンクリートブロックを互いに 組み合せて積み上げ、 その隙間にコンクリートを流し込む。 ブロックはコンクリート型枠を兼ね、 壁体の一部となるものだというもの。 [鎮ブロック] 天満教会は、 1879年(明治12)1月に 天満橋基督教会として創立、 翌1880年ここに移転後  天満基督教会となった。 1928年(昭和3)12月に、 いまの教会建築となりました。 正面は略対称形で、 階段室前面を矩形意匠、 つまり 等しい四辺形 で 構成されています。 礼拝堂に架ける 楕円アーチ の梁に 連続アーチをくり抜いています。 「特に2階聖堂は竣工時より  ほとんど変更されておらず、  照明等の調度品を含めて  竣工時の物を使用しており、  教会のこの建物への  愛着が伺い知れる。  また、中村鎮が述べるような  鎮ブロック工法での廉価で堅牢な  建築物であり続けていることも  含めて興味深い。」 ※ 2008年の日本建築学会による 研究報告には高く評価されています。 聖堂の壁仕上げは、 従来の漆喰ではなく、 スサを海苔で貼り付ける 工法が用いられているとか… 中村鎮さんが躯体だけでなく、 細部の仕上げについても オリジナリティをもった、 取り組みが伝わっています。 「日本基督教団天満教会」 竣工年:1929年(昭和4)  改修:1959年(昭和34年)、2012年[耐震補強] 設 計:中村鎮 構 造:鉄筋コンクリート造4階建 所在地:大阪市北区天神西町4-15 【国 登録有形文化財】 イケフェス2017プログラム 特別公開 ...

イケフェス大阪2017 浪花組本社

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去年のイケフェスのころに、 村野藤吾のファサード⑩ で 紹介した 浪花組本社ビル の ガイドツアーは13時~… やはり雨のため行列なく、 見せて頂くことに。 「足元わるいところ  ホンマありがたいことですわ」と、 法被姿 のお兄さんに歓待されました。 株式会社 浪速組は、 村野藤吾の 左官工事 を 数多く手がけました。 三代社長 中川貢 さんは、 施主として村野の7つの建築、 そして邸宅を依頼しました。 社長室にあった 村野藤吾さんの新聞記事。 大理石張りのエレベーター廻り 1階のメインカウンターは、 下部にもアールが付いています。 最上部のベランダ柵。 最上階にはベニヤ板で 補強されていました。 というのも阪神大震災で、 少しクラックが生じたそうです。 村野事務所に了解をとって、 このように設えられました。 柱にも 面取り 。 とにかく村野さんは、 角を落とすということに、 心血が注がれたそうです。 それに応えた左官士の 仕事がスゴいです。 村野さんの手摺りの、 持ち心地さを感じながら、 階下へ。 4階応接室。 ※ 奥に見える 電話台 ビル竣工に合わせて村野さんが、 デザインした1964年製。 応接セットも村野デザイン。 引き出し家具の脚も 下に行くに連れて細く。 ※ 施主 中川貢さんの好みを反映した、 重厚な椅子は威厳を保ちつつ、 各部には丸みを帯びた仕上がり。 ※ こちらの 脇机(飾棚) は、 直線的な印象は強いのだけれども、 天板の外周や裏側、 どの部分にも角はきっちりと面取り。 手で触れた時に角張りを 感じさせない… 実際に触らせてもらった(・ω・)v こちら立入禁止の張り紙があるが… ※ こちらも村野デザインの 4階理事長室前室の 受付机 。 勾玉のような曲線を描く天板、 下へ行くほどすぼまっています。 ※ 実際に置かれていたら こんな感じとか。 ちがうバリエーションも ありました。 浪速組さんは、 もともと 火消し だったと。 4階会議室の椅子は、 中川悠基氏が設計を依頼した 「 喫茶プランタン 」から、 持...