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地鉄を征く〜あすなろう鉄道④ 日野神社

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四郷村役場 のあたりは、 かつては醸造業や製糸業が 盛んな場所でして… いまでも明治大正の町並みを 感じる場所でした。 西日野駅から四郷村役場への 道すがらに立つ 日野神社 の石碑。 もともと 資源もない小寒村でしたが、 幕末から近年にかけて、 近代産業の発祥地として栄え、 近隣諸村が羨む豊かな村落と なっていたそうです。 立派な鳥居に広い境内。 御祭神は 伊邪那岐命 イザナギノミコト 豫母都事解之男命 ヨモツコトサカノオノミコト 建速須佐之男命 タケハヤスサノオノミコト 金山昆古神 カナヤマビコノカミ 宇迦之御魂神 ウカノミタマノカミ。 旧称は 熊野神社 で、 もとは伊勢安国寺内社。 伊勢安国寺廃寺により、 郷土の氏神として 祀られてきました。 1908年の明治の終わりごろ、 神明社を合祀し、日野神社に。 明治神宮遙拝所 とか… 靖国神社遙拝所 … 橿原神宮遙拝所 も、 これは初めて見ました。 由緒に… 「往古熊野三山よりの  勧請を起源にして、  明細に本宮、新宮、那智と  記載され創紀当初は  熊野三照権現と称す」 とあり、かつては、 熊野に棲息する鳥の生活を 模写する「 強飯つかみ 」 という神事が行われていたとか…、 「 男性的神事にして危険 」 として明治に入って廃止。 どんな神事だったのか? 伊邪那岐命 は 国産みの神 、 ヨモツコトサカノオノミコト は、 伊邪那岐が吐いた唾を 掃きはらって生まれた神。 掃きはらったことで、 事物を明らかにし事態を 収拾させる神とも… 伊邪那岐命、須佐之男命と共に 全国の熊野神社に 祀られている存在です。 建速須佐之男命は 素戔嗚命 のこと、 ヤマタノオロチ退治の神。 天照大神の弟神 で、 粗暴な性格…田を荒らすなど 悪事を繰り返した。 これに怒ったアマテラス… 天の岩戸 に引きこもるに 繋がるのです。 伊勢と熊野を繋ぐ存在 でもあり、 伊勢に至る四日市のこの地に、 なんらかしかの信仰の道が、 祀られ方は変化しつつも、 存在してきたことの証。 摂社 金毘羅神社 金山昆古神は、 伊邪那岐のタグリから 化生した神の一柱。 タグリとは吐いた物 のこと。 本殿に向かい右手に朱の鳥居。 日野栄稲荷神社 お稲荷さんは 宇迦之御魂神 。 手前にもうひとつ… 真新しいお社… 天照大神の兄神 にあたる 大山積大神 を祀る。 御鎮座...

猿田彦のミチを開くvol.16 椿岸神社(四日市市智積町)

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四日市市智積町 という地、 鈴鹿市にある 椿岸神社 と 同名の神社がありました。 近鉄四日市駅から 湯の山線 に 乗り換えて… 「桜」 という駅。 日本人に馴染みの深い花ですが、 駅名になっているのは2つ。 もうひとつはお隣の愛知県 名古屋市南区にある 名鉄名古屋本線 の駅。 かつては島根の 一畑電気鉄道 立久恵線 にもあったそうです。 湯の山温泉方面の一駅先には、 菰野 という駅があり、 湯の山温泉 も 御在所岳 も 菰野町にあるのです。 天気が良かったこともあり、 ハイキング姿がありました。 智積町には鈴鹿山脈の地下水が 菰野町の蟹池 に湧き、 江戸時代からこの地を潤す 智積養水 が流れています。 澄んだ水に泳ぐ鯉たち。 用水ではなく「 養水 」と 呼ばれているのは、 水田を潤し人々を養う 惠の水である感謝の気持ち が 込められているからとか… 御祭神は、 天受賣受命 、 猿田彦大神 、天照大御神。 由緒書にもこの順序で 記されています。 椿岸神社 ですからね… かつては伊勢の海が 智積の辺りまで入り込み、 さざ波が立っていた太古。 やがて鈴鹿山系に源を発する 三滝川 と 矢合川 が流れが 多くの年月を重ねて、 海岸線も遠のかせたそうです。 本殿の東側にお稲荷さん、 平安時代の終わりごろに 西園寺家の御厨が成立して、 のち 智積御厨 と呼ばれました。 智積御厨の領主 松木宗藤 は、 その息女 加賀姫 を戦乱から 避けるためにこの地に… 櫻村字南垣内という地に、 京都の 伏見稲荷神社 の祭神を 勧請して「 幸田神社 」が 創建されたそうです。 御厨とは簡単に言えば… 荘園 のことです。 明治の末に椿岸神社に 合祀されていたのを、 戦後1960年に再建… 姫自筆の棟札 が椿岸神社に 遺されているそうです。 いまは「 椿岸稲荷神社 」。 稲荷鳥居の側に 皇居遥拝所 。 その右手に 猿田彦命 が 祀られています。 猿田彦神社の鳥居をくぐると 神宮遥拝所 があります。 明治17年の智積村地誌によると、 智積御厨の成立を契機に、 伊勢神宮の 分祀社 神明社 が 建立されたそうです。 伊勢信仰が 御師(おし) たちの 活躍で支えてこられきた、 その一端でもあります。 神社の手水舎の裏手に… 左三巴 の神紋。 水が渦巻く様子を 形にしたもので、 火除けのまじ...