タイムスリップ大阪万博 その27 千里より、天理へ
名だたるカンサイの企業が参加した 日本万国博覧会になぜか、 あの「シャープ」の名が見当たらない。 (EXPO70スタンプコレクション より) シャープが属する三和グループは あの 「みどり館」 を出展したが、 共同出展企業にも参画をしなかった。 半年でとり壊すパビリオンよりも、 企業体質の強化に専念することを選択。 「千里より、天理へ」 を 英断とみるかは当時の社内でも意見が 二分されたようだ。 万博に湧く千里と同じ1970年に 資本金が105億円であった当時、 75億円という費用を投じて完成させたのが、 奈良の天理市にある 「総合開発センター」 。 「出展しなければ、 関西経済界から総スカンを食うことになる」 、 「社内の志気を下げることになる」 、 「半導体の工場に投資するのは リスクが大きすぎる」 という 万博推進派 もいれば、 「たった半年間のパビリオンに 15億円を投資する意味があるのか」 、 「半導体工場を建設することで、 シャープが 総合エレトクロニクスメーカーに 脱皮できるきっかけになる」 という 総合開発 センター推進派 の声もあったという。 ところで「シャープ」という社名。 「シャープペンシル」 の発祥が 「シャープ」 ということなのだそうだ。 独創的な芯の繰出し装置の発明は1915年。 創業者の名が付いていて、 はじめは 「早川式繰出鉛筆」 と言ったそうだ。 発売当初は 「軸が金属で冬に冷たい」 「和服には向かない」 と不評だったようだが、 欧米で大ヒットして逆輸入のヒットとなった。 1921年当時の シャープペンシルの 生産工程の模型 参考: 「 シャープ、「誠意と創意」の歴史を辿る」 大河原 克行 より