虎虎虎・・・

こないだネットで美術館情報を探っていたら、
なつかしの 若冲の虎 を発見。
あの2006年に京都国立近代美術館の
プライスコレクション
   「若冲と江戸絵画」の猛虎。




















左:「虎図」   伝 李 公麟 筆
    朝鮮時代16世紀後半/正伝寺 蔵
右:「竹虎図」 伊藤 若冲
    江戸時代18世紀末/鹿苑寺 蔵


当時は日本にいなかった虎。
正伝寺に伝わっ ていた虎図に従って
制作したという背景が知られていて、
もともとは中国絵画だろうと思われていたが、
最近の調査で朝鮮絵画である
    可能性を指摘されたのである。





この組み合わせの
展覧会をやっていたのが
京都の北大路を
上がったところにある
「高麗美術館」さん。
朝鮮半島の古代から
近代までの文物がならぶ。
規模は大きくないが
収蔵品は
1700点におよぶ。









銅鏡などの考古資料をはじめ、
高麗青磁や朝鮮白磁などの陶磁器、
絵画などを収蔵する1988年開館の美術館。


虎は朝鮮のシンボル的な存在。
1988年ソウルオリンピックの
マスコットも虎だったよな。
たしか
名前は
「ホドリ」と言ったか??






伊藤若冲
狩野派のほかに、
画題としての手本を
宋元の古画に求めていたようだ。
筆跡の追体験し、
手本の全体像を理解するための
臨摸(りんも)」というのを
さかんにやっていたのだが、

それを支えていたのが
相国寺の第十三代住持であった
梅荘顕常 (ばいそう・けんじょう) 。
鹿苑寺の大書院 障壁画を
若冲
に依頼したのも顕常 その人であった。





















「鹿苑寺」とは金閣寺のこと、
銀閣寺は「慈照寺」が正式な名称で、
どちらも「相国寺」の山外塔頭のひとつである。
相国寺は臨済宗相国寺派の本山。
お手本の「虎」のある「正伝寺」も臨済宗だ。





















プライスコレクションの
若冲の虎と並べるとこうだ。
色彩こそ若冲らしさがみえるが、
背景の草木も忠実に筆致を追っている。


日本人の虎への興味は江戸時代になると、
急激に高まりをみせたようで、
「竹に虎」「龍に虎」と定番の図描がさかんに
 取り上げられたようである。




「竹虎図」 尾形光琳 筆
 江戸時代18世紀
 京都国立博物館蔵




こちらは朝鮮通信使画員であった
李義養(リ・ウィヤン)の虎。
「嘷虎図」 との名がついている。
嘷虎(こうこ)とは吠える虎のこと。






京都五山の一つ
臨済宗 建仁寺
    塔頭である
両足院にある虎の絵だ。









ブログ「虎の連れあいはヒョー??」 でも、
ふれたことがあったが
豹は虎のメスと考えられていた。
高麗美術館が持つ
鵲虎図(チャッホド)」。
吉兆を意味したおめでたい図像で、
むかし韓国・朝鮮では新年に玄関に貼り、
   飾られたものなんだそうだ。

「鵲」は
「庶民」を象徴し、

「虎」は
「上流階級」の象徴。
この図でも
「鵲」が「虎」を

見下ろしている。
ちょっとした
「風刺画」
だ。






「鵲虎図」
19世紀/紙本墨画淡彩 


「報喜」の意味を持つものとして、
吉報を意味するカササギ。
「報bao 」と同じ音の
「豹bao」
がセットされている。
斑の毛皮をまとった虎ということで、
より画題の真意を
ついている図と言われている。






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2010年 新春特別展
「朝鮮 虎展」
  2月14日(日)まで

■高麗美術館
京都市北区紫竹上岸町15番地
TEL 075-491-1192







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