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ザ・船場な戦後ビル㉝ 大阪商工信金ビル

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「 大阪商工信用金庫新本店ビル 」 本町通と堺筋が交わる 本町1丁目交差点南西角、 2017年9月に完成した 大阪商工信用金庫 の新社屋。 設計は 安藤忠雄建築研究所 。 元々、 東洋紡ビル がありました。 繊維産業の象徴として 今井 兼次 氏の「 糸車の幻想 」が あったことで、知られています。 屋上の塔屋に設けられた 巨大レリーフ。 もとはテナント入居者の 憩いの場であった 屋上広場 … ビルと街の歴史を継承され、 保存し後世に残されただけでなく、 誰もが立ち入ることのできる パブリックスペース に移設。 まさに イケフェス 、 生きた「建築ミュージアム」。 上部に見られる点々とした穴は、 実は元ビルでは 通風口 です。 屋上時代のこれも 再現されているのは、 素晴らしいことです。 これは ボビンケース なのかも? レリーフ移設中の現場写真、 きっちりトレースされています。 現場に設置された案内板、 アントニオ・ガウディ に 大きな影響を 受けた 建築家・今井兼次とあります。 モダニズム建築が全盛の時代。 「装飾」が批判の対象となる 風潮がありましたが、 今井は自身心酔の ガウディを日本に紹介。 率先して手法を実践、 文字も入っているこれも ガウディの影響とか。 「 MARIA VERGINE 」と… 大阪らしい意匠も、 ほかの作品とおなじく、 ガウディに倣ったのか? 自身が現場に入り先頭に立って、 制作を指揮されました。 もう一つのガウディの手法、 作品に 陶片タイル がふんだんに。 オブジェの先端部分も、 サグラダ・ファミリア の 尖塔にルーツを感じさせます。 商工信金ホールで イベントがない日でも、 気軽に見れますよ。 糸車の前の案内板。 1962年には 長崎 で、 日本二十六聖人記念館 を完成。 建物も設計、本業は建築家。 そして、 クリスチャン でもありました。 旧ビルで馴染み深い風景は、 こちらですね。 1階壁面にあった 石のレリーフ 。 堺筋沿いにありました… ...

イケフェス大阪2017 日本橋の家

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間口の約3メートル 「 日本橋の家 」は、 いつもなら長蛇の列なのに… 大雨の「せい」… いやお陰にて待ち時間ゼロ 。 建物好きならすぐワカル 安藤忠雄 さんが設計の コンクリート打ちっ放し 。 4階建ての建物内部の動線は 5つの階段を持った複雑なもの。 中庭を動線として利用、 可動式のガラス屋根が付く。 階段下にあるのは トイレなのだが、 ここが3、4階部分の 唯一のプライベート空間。 若手建築家らによる企画展 「 Architects of the Year 2017 」 なるものが行われていて、 それぞれの部屋がアトリエとして、 ココに個性を放っていました。 コンクリの打ちっぱなしって、 雨に濡れたときは、 また違った印象を放ちます。 安藤忠雄さんのオーナー宛ての 手紙にこうあるそうです。 「狭いですが  全力でつくりましたので、  全力で住んで下さい」 と… オーナーの 金森秀治郎 さんは、 ここに18年間暮らされました。 「建築文化のために役立つ場を  つくるのが夢だった」そうで、 いまはギャラリーに。 安藤忠雄さんの思いに応え、 取り壊すことなく ギャラリーとして 活用された オーナーさん、 その建築愛が感じられました。 ミニ本より… 「…起伏にとんだ空間で  しばらく過ごせば、  出口のない迷路に 迷い込んだ  錯覚を覚えるはずです。  均質で美しいコンクリート、  同じ間隔、同じ寸法で  繰り返し現れる扉や窓、  そのガラスに反射する景色。  度々訪れる再会。  印象的な吹抜けや  中庭の空間を経由してもなお、  無限に連続する  時間を感じさせるのです。  住まいとしての  便利さや快適さからは  ほど遠いかもしれません。  しかし住まわずとも  愛され続けるこの建物に、  建築のちからを  思わずにはいられません。」 「日本橋の家」 竣工年:1994年(平成6) 設 計:安藤忠雄(安藤忠雄建築研究所) 構 造:鉄筋コンクリート造、4階建 所在地:大阪市中央区日本橋2-5-15 イケフェス2017プログラム ...