建築史探偵団・京都3 近代建築の保存とは?
烏丸三条の西南角にあるのは 「 みずほ銀行京都支店 」。 道幅は整備された烏丸通と比べられないが、 もともと三条通には金融機関が立ち並ぶ。 烏丸通をへだてて向かい側には 「 京都市道路元標 」の碑。 もともと 三条大橋 にあって、 のちに現在地に移されたという説があるが... 1924年(大正9)の京都府告示には、 「下京区三条通烏丸通交叉点角」 となっておる。 もとは「 第一銀行京都支店 」。 実は建物はいったん解体され、 2003年に外観再現されたもの。 新しい材料で そっくりそのまま実寸大に。 新建材でここまで実現したというのは、 見事というほかにないのだが... タイルが貼られているので、 煉瓦積みではないのだが目地は「 覆輪目地 」。 ぷっくりと盛り上がっているのがわかるかな? コテ仕上げで、目地が強調されるのだが、 施工に高度な技術と時間が費やされる技法。 「 レプリカ保存 」 といわれる保存のやり方。 景観は守られるのだが、 当時の材料や技術は 失われてしまうのは残念である。 「 旧 第一銀行京都支店 」 →第一勧業銀行京都支店→みずほ銀行京都中央支店 建築年:1906年(明治39) レプリカ再建:2003年(平成15) 設計:辰野葛西建築事務所 施工:清水組 構造:煉瓦造2階建→コンクリート造3階建 所在地:中京区 烏丸通三条南西角 こちらは「 旧 京都郵便電信局 」 いわゆる「 ファサード保存 」の好例である。 建物の主要な外観をファサードと呼ぶのだが、 外観を残して内部を新しくするのが 「ファサード保存」という。 屋根の部分もそのままに... 角の大理石の使い方の美しさも 受け継がれている。 階段部分の装飾もそのまま現役である。 ネオルネッサンス様式 の旧庁舎は、 日本近代建築史の基準建物でもあり、 後世に受け継がたのはラッキーなこと。 中京郵便局の例以降、 建物のオリジナルのファサードが残される ケースが増えたのは喜ばしいことである。 景観保存の面から評価されて 京都市登録有形文化財に 1986年に登録されて