猿田彦のミチを開くvol.11 住吉っさんの猿田彦
道路往来の守護神として “ 道祖神 ”ともされる 猿田彦命ですが… 住吉大社の境内摂社 の 船玉神社 の御祭神です。 大社本宮4殿を囲む 瑞垣外の右手に 西面して鎮座しています。 延喜式神名帳に 『摂津国住吉郡 船玉神社』 とある式内社で、元々は 第四本宮の真向かい に… 1970年の瑞垣内の 拡張工事によって、 この場所に 遷座されたそうです。 船玉神社の祭神は、 住吉三神の「荒魂」 とも言われています。 荒魂とは… 伊勢神宮内宮 の 「 荒祭宮 」に同じ。 住吉三神 とは? 第一本宮 底筒男命 第二本宮 中筒男命 第三本宮 表筒男命 のこと。 筒男三神 に冠せられた 「底・中・表」は、 上から下へと降臨を 意味するとも言われ、 三柱ではなく一柱とも… 江戸中期に描かれた 『 摂津名所図会 』、 第四本宮の 正面木柵の外に “船玉社”が… ということだが、 よくわからない(T_T) 扉絵 は明治時代初期に 問屋組合から 奉納されたものでして、 向かって左が 東京の組合の帆船 、 右が 大阪の組合の帆船 。 そして奥には 江戸時代に活躍の 菱垣船 が描かれます。 そして…上部には 飛行機が二機。 『 住吉大社・参詣の栞 』、 「船玉とは、船舶を 守護する船霊のことで、 船乗りや漁業の 海上安全はもとより、 航空関係者からも 信仰を集める古社 」と… 社の古札を入れる木箱には、 釣具のリール などが、 見られました。 授与所には「 水難除守 」、 そして…「釣人守」には、 「 ルアー型釣人守 」もある。 低層・中層・表層・ 餌木守護用と、 狙うポイントで バリエーション豊か。 ただ…引っかかる? 猿田彦 は、 伊勢ヶ浜での漁の最中に、 比良夫貝に手を挟まれて、 三つの御霊となって 溺れ死んだの じゃないの… かなづちなのに?海の神? ただ猿田彦が 海塩に沈んだときも 三御霊が出生 したのでして、 ここに共通項がありました。 住吉大社には 延喜式の時代から、 さらに遡った時代には、 別の海の神 を奉じていたと そんな伝承もあるのです。 船玉神社の社殿を最後に 見ておきましょう… 正面側面とも一間、 切妻造檜皮葺妻入。 妻飾の 豕扠首 (いのこさす)※や 懸魚 は本宮本殿と同じ形式で、 内陣の 住吉造 に準じています。 猿田