池田をあるく⑤ 呉春の春

摂津池田郷 池田銘醸 清酒「 呉春 」。 織姫伝説の呉服(クレハ)神社と 伊居太(イケダ)神社、 そして 文人画家 呉春 ゆかりの 「本養寺」もある池田。 最盛期には38軒の酒蔵があったそうですが、 自醸しているのは今ではここ「呉春」のみ。 池田と松村呉春との関わりは、 司馬遼太郎さんの 『 天明の絵師 』に見て取れますが、 愛妻を亡くした傷心で 池田の町に移住してきたのが 天明元年(1781年)のことだそうです。 翌年の春に近くの本養寺を訪れたとき、 池田の古称= 呉服(クレハ) の里で 春を迎えたことに感銘したとか。 その時に 月渓から呉春に改名 したそうです。 「十二ヶ月京都風物句画賛」 呉春 画 のちに京都・四条に戻った松村呉春は 四条派画家の祖として晩成しました。 「牛若丸句画賛」呉春 画 まさに池田という土地は、 呉春に新たな春を予感させたのかも? 「牛若丸画賛」与謝蕪村 画 与謝蕪村 は呉春の師匠であります。 いずれも逸翁美術館の持つコレクション。 ※『天明の絵師』1964年は 最後の伊賀者 (講談社文庫) に収録