歌川国貞の「虎」
ギメ東洋美術館 所蔵 浮世絵 名品展 に 歌川 国貞 の虎の絵が出ていました。 虎 の毛並みの繊細さは、 「空摺 からずり 」 という技法によるもの。 「空摺」 とは、 色を付けずに和紙そのものの持つ味わいを出すもの。 彫ってある凸の部分に絵の具を付けずに、 紙だけを置いて摺るんだそうで、 立体感を生み出しています。 絵の右上にある文字は、 「筆もよし霞のはけも色とりて いつれおとらぬ蛇の目虎の目 桜川 慈悲成」 「蛇の目」 とは 文禄・慶長の役で朝鮮で出兵した、 このブログで何度か紹介した 虎退治 の 加藤 清正 の家紋です。 この虎図のみの展示でしたが、 二枚組の右の図は 七世市川団十郎の 加藤 清正 なんだそうです。 文政13(1830)年寅年の歳旦摺物。 寅年の干支飾りです。 ← 2007/04/24 ギメ東洋美術館「雨中の虎」へ ← 2007/03/28 清正香の絵