投稿

ラベル(近代化遺産)が付いた投稿を表示しています

なごやの近代化産業遺産をあるく⑤ 市庁舎

イメージ
名古屋市庁舎 の時計塔は 高さ53.5m、 二層の屋根を配され… 塔の頂上には、 四方睨みの鯱 。 1933年の竣工ですから、 名古屋城に向かって、 2つの昭和の城が 聳え立ったというのが、 昭和ひと桁という時代。 近代的なビルに和風の瓦屋根… 「 日本趣味を基調とした近世式 」 こう解説されています。 時計は1967年までは、 1日に2回人が操作する 「 手動巻上式 」だったとか。 鬼面のレリーフ もあり、 火の気や邪気払い。 名古屋城は1945年の 名古屋大空襲 で大部分を 焼失しましたが… こちらは建築当初の姿を 保っています。 一般公募の懸賞コンペ、 西春日井郡出身の 平林金吾 氏の案が採用。 時計塔と鯱など名古屋の イメージを鮮明に 打ち出したいとこだわり。 常滑のタイル を使うなど、 ローカル色もふんだんに… 年1回、 普段見られないところも 一般開放しているとか… 建物の屋上にも登れるそうで… 戦争中に建物を目立たせないように 塗った 防災迷彩の黒色 や、 高射砲の設置 を想定して 一段高くして増設された床など… いつか見てみたいものです。 ちなみに… 平林金吾 という人。 1894年 西春日井郡豊山村に生まれ、 東京高等工業学校建築科を卒業、 1926年 岡本馨 と連名で応募した 大阪府庁 舎設計懸賞競技で一等入選。 名古屋市庁舎の設計応募した時期は、 復興建築助成会社の技師だったとか。 車寄せには 行灯のような照明 県庁舎と対照的な シンプルデザインの鉄扉。 重要文化財 に指定された お祝いにと寄贈された 七宝焼の銘板 。 県庁 にもあるとか(T_T)

なごやの近代化産業遺産をあるく④ 県庁舎

イメージ
大津橋 を渡ると… 城構えの 愛知県庁舎 、 そして奥に塔がみえるのが 名古屋市庁舎 です。 もとは中区新栄町にあった 市庁舎は木造2階建て、 昭和天皇御大典の記念。 名古屋市庁舎は先駆けて、 1933年に完成していました。 頂部に城郭風の屋根を 乗せた特異な意匠である 「 帝冠様式 」のフォルムは、 国威発揚の波に乗ったものか。 庁舎の基本設計は、 西村好時 さんと 渡辺仁 さんに委嘱。 実施設計は、 県建築部営繕課の 手によるものです。 外壁は2階の窓下までを 花崗岩貼り で頑固に、 大手門とも思わせる 正面玄関はまさに威風堂々。 軒回りは 富国石貼り 車寄せの天井 繰型 (くりがた)彫刻 土曜閉庁で固く扉が 閉ざされていました。 上部6階窓下までは 黄褐色のタイル 6階の壁面は 白色の磁器タイルが 用いられているとか… 陶磁器どころの愛知県で、 城の白壁を表現しています。 「 尾張名古屋は城でもつ 」 そんな風景がここにあります。 三重県伊勢地方の民謡 「 伊勢音頭 」… 「伊勢は津でもつ、  津は伊勢でもつ、  尾張名古屋は城でもつ」と。

なごやの近代化産業遺産をあるく③ 伊勢久旧本社社屋

イメージ
隣の愛知県庁大津分室に比べ、 明るいタイルの色使い。 伊勢久株式会社 という会社、 創業は宝暦8年(1758年)… 薬舗の歴史を刻む老舗。 陶器の着色薬 に販路を広げ、 試薬や科学機器、 セラミックなど… 名古屋の先端企業として、 さらなる発展をされています。 渦巻状の柱を配したファサード 当初はガス灯だったかも… 庇の側面にはテラコッタ 側面にはアーチ窓 なかなかいい風合いで、 時を刻んでいました。 近くに架かる 大津橋 飾り花瓶のベイスと 4つの球形照明の欄干。 名古屋城三の丸 のお堀に架かる。 道路拡張のために石積みが、 一部移設されたそうです。 「なごやの 近代化産業遺産をあるく」 さらに続けますm(_ _)m

なごやの近代化産業遺産をあるく② 県庁大津橋分室

イメージ
名古屋で見たかった スクラッチタイル の ビルふたつ… スクラッチタイルは、 成形した柔らかい タイルの表面にローラーで 溝の文様を刻み、 さらに凸凹に反応して 微妙な濃淡をうみだす 伊羅保釉 というのが かけられて焼成されています。 丸みのある建物角には丸みに 合わせた湾曲したタイル。 窓まわりの角にも 一体型のL字型のタイル。 愛知県信用組合 連合会会館 であったものを、 1957年に愛知県が取得。 もとはこちらが正面入口。 愛知・名古屋 戦争に関する資料館 に… 開館は2015年7月のこと。 戦前の愛知県は、 軍需産業が集積… 空襲の歴史がありました。 その展示を見上がると… 天井に飾りが残ります。 豪奢なホール構え だったのでしょうね 内からカーテンが 掛かっていた正面入口。 はめ殺し窓に設えが 変更されています。 アートラボあいち 大津橋 もココでして… サインが掲げられています。 吹き抜けの階段塔 丸窓に垂直窓… 階段の壁面に スクラッチタイルが アクセントを構成… 渋みのある表情を みせていました。 設計には 黒川紀章 の父、 黒川巳喜 が携わったとか… 3階から階下を見下ろすと… アートイベント やってました… 全体の色調は土色で 色幅が適度にあり、 全体的に深みを 感じさせていました。 シンボリックな 塔状の階段室は、 ゴシック風の付け柱 が 高さを目立たせることに、 その役割を果たしています。 正面庇はエキゾチックな文様 松明のようにもみえる テラコッタの装飾たち。 3階のテラス そして最上部にも表現派風 と言われるデザインが アピールしています。 「愛知県庁大津橋分室」 旧愛知県信用組合連合会会館→ 竣工年:1933年(昭和8) 設計 :愛知県営繕課             (黒川己喜、土田幸三郎) 構造 :鉄筋コンクリート造3階(地下1階) 所在地:名古屋市中区丸の内3-4-13