「若沖と江戸絵画」をたずねて5>ぺこ虎
◎ ◎ ◎ ◎ 「若沖と江戸絵画」をたずねて 5 ◎ ◎ ◎ 虎 図 / 谷 鵬 あの 「高松塚古墳」 にも描かれた 東西南北 、 春夏秋冬 をあらわす 四 神 は想像の動物ですが、 そのうち 西 や 秋 をあらわす 白虎 びゃっこ については、 シベリアに棲息する ホワイトタイガー かどうかは、 別として 唯一実在の動物 です。 ←大牟田市HP 動物紹介より ただ動物園で 虎 が輸入されるまでは、 南蛮貿易で 「見せ物」 として入ってきた時期をのぞくと、 実際に 虎 を見たことをある人はいませんでした。 それでも日宋貿易や長崎・出島貿易などで、 虎の毛皮だけは日本に存在していたようです。 トラ の絵は毛皮をもとに描いていたので、 本当はどういう姿で出で立っていたのか?? 想像力を駆使していたのだと思います。 日本画に限ることではありませんが、 「模写」を繰り返して 上手くなろうと。。 ですからいろんな作品を見ていると、 構図がとても似ていたり、 そっくりなのに作者が違ったりします。 師匠の絵を描き映すことで、 技法を会得しようとしたのでしょう。 形式美を重んじる人もいれば、 あらためて実物に触れて写実性を求めることで、 日本画壇でも流派が形成されていったようです。 毛皮を見た 谷 鵬 さんには、 虎の顔がどんな表情を見せるのか??悩んだのでしょう。 この虎の印象がやさしいのは そのせいかも知れませんね。 ちょっと ペコちゃん に似ていませんか? ちなみに、 四 神とは、、、 東や春が 青 龍 (せいりゅう) 西・秋に 白 虎 (びゃっこ) 南と夏には 朱 雀 (すざく) 北と冬は 玄 武 (げんぶ) が配置されます。 「虎次郎の知ろう雑学集」 「青 春」 ということばありますが、 青 龍 の住む季節だから 青 春 というのだそうです。