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11月, 2008の投稿を表示しています

秘仏のイミ

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「秘 仏 開 扉」 これを「ひぶつ かいひ」と読みます。   国宝 三井寺展では数々の   秘仏の扉が開かれました。 永らくの秘仏と言えば 法隆寺夢殿の「救済観音」 三井寺とも関わりの深いフェノロサにより  見出されるまで白衣でぐるぐる巻きに     されていたのは有名な話です。 梅原 猛 氏は著作『隠された十字架』で、 「夢殿と救世観音は聖徳太子の祟りを    鎮めるため作られた」 藤原 不比等の娘の子が聖武天皇となったが、 権勢揺るぎなかったが当時の官職にあった一族に  天然痘の前に倒れたとのことを指摘されています。 聖徳太子の無念をはらすため、  いわば「殯(もがり)の場」として  夢殿を 鎮魂の場 にしたのだといわれます。 時を経てあらわれた救世観音の頭と胸には、  釘が打ち込まれていたのだそうです。 弔いとか穢れとかの佛には、 秘仏であるがゆえの 「秘仏でなければならない運命」に             あったということです。 国宝 智証大師坐像  別名 御骨大師(おこつだいし)は、 円珍の遺言により没後まもなく造られ、 像内にその遺骨を納めたと伝えられています。 唐院御廟(とういんごびょう)に  安置されている 円珍肖像の根本像 です。 「現代日本の仏教は葬送と密接で、  死穢(しえ)を忌む仏教は想像しづらいかも知れない。  しかしかつての仏教の主要な目的は、葬式ではなく  天下泰平、玉体安穏、五穀豊穣といった鎮護国家にあった。  万が一、鎮護国家を祈る道場が穢れれば、  こうした祈りの験力は無くなり国は乱れ、  玉体安穏も五穀豊穣も維持できないかも知れないのである。  そうした結果の場に、死体を置くことは  やはり忌避されるものだったのではないか。  もし納骨像が作られたとしても、  それは秘密にされたのではないか。」 サントリー美術館学芸員の 瀬山 里志 さんは、 図録解説の 『若王寺と聖護院の智証大師像について』で  こう解説されておられます。 秘仏でありつづけた   秘仏のイミ  があったということでしょう。 ←ランキングにポチットな(・ω・)v

パジャマでツタヤ???

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虎次郎の地元  大阪京橋に 「京橋花月」 が    できた!! KiKi 京橋という 5階建ての小ビルだ。 その5階が 新しい お笑い殿堂  ということになる! ←「京橋花月」のHPへ 京橋駅前の停めてはいけない“駐輪場”も ここ二三日は、警備整理の人たちが動員されているので、  通りやすく京橋らしくない風景。 降り立つと「ライオンくん」??が     手招きをしていた!! せっかく生のライブ会場ができたのだから、 そういえば行きつけの TSUTAYA も   キキに移るって 聞いてたし。。。       ぶらりと寄ってみた。 1階と4階にレストランフロアがあり、 4階にはあのラモス瑠偉の 「レストランテ カリオカ」 、 琉球料理の 「金魚すさび」 ってお店も連ねていた。 実は大阪の西九条につづいてこの界隈は、 沖縄出身の人が多いんです。 きびしい元ウチナーたちに受け入れられるか? また落ち着いたらグルメレポを入れたいと思ってます。 TSUTAYA は4階フロアに馴染みの店員さんに、 「こんなキレイになったらパジャマで来れへん」                 っていうたら、 「ダイジョウブですお気軽に」 って。。 一応 虎次郎でも気にするのよ(・ω・)v ←ランキングにポチットな(・ω・)v

秘仏であるが故に・・・・

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「天台密教の秘仏、     そろってお出まし」 大阪市立美術館でスタートした「国宝 三井寺展」、 東京ではあの東京ミッドタウンにある  「サントリー美術館」で2月7日から、 福岡にも4月1日から「福岡市博物館」の巡回が              予定されている。 京都国立博物館とかでなかったのが幸い、 虎次郎的にはラッキーだった!! 天王寺動物園のなかの美術館は去り往く秋を 満喫できる天気で、 日曜日であったにもかかわらず、  ゆったりと。。 念願の立体黄不動と対面できた。 ちょうどしゃがみこむと視線が合った。 門外不出で 写真の掲載も制限されている 秘仏は掛軸の方だが、展覧会サイトでも。      こんな感じだ。。。 国   宝  不動明王像 [ふどうみょうおうぞう]と 重要文化財  不動明王立像(黄不動尊)  です!! 図像が平安時代(9世紀)で  彫像が鎌倉時代(13世紀)のものです。 アニメの3D化、 いわゆる実物大フィギュアというところでしょうか。 平面的なものが立体化をどうされていくのか。。。 「藤末鎌初」 (とうまつかましょ)の 創作意欲の旺盛さを感じることができます。 荒々しい不動明王には  鎌倉彫刻がよく似合います。 でも少し出っ腹です。。 虎次郎は言える立場にないですがね。 「千載一遇の機会」   大阪でのゆったり鑑賞は、       12月14日まで。 円珍が唐から密教の教えを持ち帰って 1150年の節目に当たることを記念しての開催なので、 次逢える機会はないのかもしれません。 図像を忠実に模刻した彫像の黄不動尊そろっての姿は、  今回特別に掲載が許可された展覧会ポスターで、 大阪市内の公共機関の駅のホームや天王寺公園付近の  地下街に貼られています!! 「三不動」、、 他説もいろいろあるが。   京都・青蓮院の絹本着色不動明王二童子像           「青不動」   和歌山・高野山明王院の  絹本着色不動明王二童子像の「赤不動」 そしてこの三井寺展のこの「黄不動」であろうと               言われています。 こちらは美術館のそばにある   「慶沢園」の紅葉です!! 紅葉の赤、銀杏の黄、そして青空が青不動か? ↑国宝 三井寺展のオフィシャルサイトへ <東京展> 【会期】2009年2月7日(土)~3月15日(日) 【会場】サントリ

スカイビルのクリスマス。。

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梅田スカイビルの Deutscher Weihnactsmarkt Osaka 2008  日本語でいうと 「ドイツ・クリスマスマーケット2008」   を覗いて来ました!! ドイツのクリスマス賛美歌が流れる会場は、 夜になると雰囲気はグッと盛り上がるのですが、 虎次郎は仕事関係の懇親会があり、  昼間に立ち寄りました。 イエス誕生の場面 三人の博士が お祝いに やって来ている  シーンです!! 会場で売っていたのは 「グリューワ イン」  ドイツでは冬はホットワインが定番なんだとか?? 虎次郎の夜の二次会の宴は冷やしワインを  ゴクゴクやって(ボージョレヌーボー)、 目覚めるとかなりカラダがいうことをききません。 クリスマス・オーナメント、、、 こちらは“サンタ・ユーロ”たち。 ホンモノのユーロ(Euro)の上に乗ってます。      ついつい買ってしまいました。 こちらは夜の風景 走り撮り? いや酔い撮りで   ブレてます。。 ←ランキングにポチットな(・ω・)v

ヘタウマ 仙厓さん

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仙厓さんの絵は 巧いのか 下手なのか・・・ 『曲芸図』 少し前に。。。 2003年に福岡市立美術館の 中山 喜一朗 さんが          出版された 『仙厓の○△□—無法の禅画を楽しむ』を求め、           楽しんで読み終えた。 『曲芸図』 の絵はその本に紹介された絵だ。 そもそも虎次郎が仙厓さんに執心?するようになったのは、 昨年 東京の出光美術館で出会った 「龍虎画賛」       というマンガチックな虎の絵。 あらためてその時に買い求めた絵はがきも、 禅画の蘊蓄なんて。。。と楽しめる逸品だ。 「ヘタウマ」 というコトバがある。 あくまで俗語だが 「 一見(一聴)するとへたそうだが、  個性や味のある作品のこと。」 日本俗語辞典というサイトによると、、、 1985年頃から使われるようになったとか。 仙厓さんの絵を「ヘタウマ」といってしまっては?? というのはあまりに俗っぽくてと思われる。 オトナ。。いや美術を学んだ者。。。 でもでも仙厓さんの作品を見れば観るほどに、 そんな堅苦しい解説を仙厓さんは求めていたのかな、  なんて思うようになった。 仙厓さんの『曲芸図』には美術的技術論での      蘊蓄を続けることができる要素を持つ。 つまり 仙厓さんは巧いんだ ということ。 中山 喜一朗 さんの著書からの引用を紹介する。 「構図という観点でみると、  大小の三角形を構図がおもしろい。  これは、観る者の視線を、  上へ上へと誘導する働きをもつ。」 そもそもこの絵も軸物だし展覧会のように、 立っている者を “ 観る者 ” とは想定していないだろう。 座ってお軸を観ることを考えていたとすれば、 なおさらフワーっと空に向かって投げられた  丸いものや棒みたいものに導かれて、 「賛文」に行きつくであろう。   天 気 降 々   地 気 昇 々   地 天 為 泰   萬 物 以 生 「宇宙の気が降りてくる。大地の気が昇っていく。  地と天があわさり、  泰、つまりおおきくてゆたかでやすらからな世界ができる。  そこからすべては生まれでるのである。」 中山 喜一朗 さんはわかりやすく書かれてくれている。 「自由でしあわせな心の状態が、  周到な計算と卓抜した表現力によって  具体的な形に表現されている。」 禅画の賛文にしろ展示会の解説にしろ、 目録の解説

「森の中の美術館」になれるか??

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2007年1月にオープンした 国立新美術館。 大変ユニークなカタチは 建築家 黒川紀章(くろかわ きしょう)さんの設計。 「森の中の美術館」がイメージ。 まだ周囲の木々はガラスの建物に追いついていない。 いずれ森に囲まれることになるのか?? ↑クリックするとレストランのHPにジャンプ!! こちらは逆円すいの形をした「レストラン」 これって美術館??六本木ナントカじゃないのって・・・ 階上は 「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」 『巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡』展  特別メニュー はなんと。。        6,800円・・ さすがにこちらの軌跡を  たどることにはなりませんでした。 最近はビルの屋上の緑化が盛んですね。 補助金もでるからですかね。 ここの屋上には竹のお庭なんてのも          ありました。 「てくてくマップ」       には、 地震が起きても、 そのゆれを小さくする  仕組みがあるとか 子ども向けながらも、 面白い解説がありました。 ホンマに 大丈夫かなー、、、 と思いつつ。。 ←ランキングにポチットな(・ω・)v

ほほえましいピカソの絵

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「国立新美術館」での 「巨匠ピカソ 愛と創造の奇跡」      の展覧会。 ピカソってゲルニカとか「むずい」作品で、 とっつきにくいというか。 ほわーんと見ちゃいけないんやなんて思い込み、   勝手に敷居を高くさせていました。 「ピカソ美術館は、ピカソが手元に残していた  作品群のうち、10代から晩年までの  約5千点を所蔵し、その創作と一生が描けます。  最も偉大な芸術家として、一人のスペイン人として、  20世紀史を語ってくれます」 パリ国立ピカソ美術館長のアンヌ・パルダサリ氏の言葉です。 20世紀史となると、  やはり難しいんやんかと思わせる。 そんな思い込みを除くためにか?? 展覧会には作品と真正面から 向き合ってもらおう意図が伺え、  解説は少なめにされていました。 顔がゆがみ、 カラダも解体されている。 展覧会のポスターにも  なっている 《ドラ・マールの肖像》   1937年 油彩/カンヴァス 解体しても美しさが伺える。 その色づかい。 女性に対しては時に 冷淡だったとも言われる  ピカソ。。 ただデッサンやブロンズ像など、 造形をとことんまで追求したピカソの表現方法は、 描く対象の造形を論理的に  理解しようとしたのだとも思えます。 アートグッズコーナーの 直前に掲げられた作品。 《トラックの玩具で遊ぶ子ども》   (1953年) ちょっと日本的な幾何学模様。 この絵葉書はゲットしましたよ。 そう買いたかった作品でしたので。 《デッサンするクロード、  フランソワーズ、パルマ》  (1954年) こちらは、、、 かなり構成が 仕掛けられていますが、 無心に遊ぶ子どもたちの姿は ほほえましく。。 ピカソのシンプルな線って、 天才的な構成バランスがありますね。 ピカソの飽くなき挑戦の系譜をたどると。。 「限界は存在しないんだよ」という メッセージを感ぜずにはいられませんでした。 美術館を一度見ておきたいということで、 おとずれた少し不得意なピカソ。 すこし親しめるようになったかも・・・ ←ランキングにポチットな(・ω・)v

みどりのライオンで「虎の鏡を作る?」

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東京国立博物館でハンズオン体験コーナー 「日本の模様でデザインしよう!」 というのがあり、 短い時間でしたが虎次郎も参加して来ました。 日本の美術作品には「定番」という図案があって、 「千鳥格子」「青海波」「七宝」 「唐花亀甲(からはなきっこう) 」なんかがそうです。 「千鳥格子」というのは、欧米では「犬の牙」に たとえられハウンズ・トゥースの別名を持つもの。 「唐花亀甲」 は亀甲の中に花の文様が入ったもの。 市松に花文様を配した「格天井華文(ごうてんじょうかもん)」 円と八角形と四角形を組み合わせて 新たな幾何形として発展させた「蜀江(しょっこう)」、 変形の亀甲で構成された「毘沙門(びしゃもん)亀甲」など、  細かなパターン替えで多様な定番文様があります。 いろんな文様のスタンプが置かれていて、 オリジナルの鏡やきものが体験できるもの。 虎には竹が組み合わせとしては正しいのですが、 唐草に桜と梅、富士に「天下一」としてみました。 外国人の人はかなりお気に入り、、  ボランティアスタッフの方に図案の意味などを、  尋ねられて思い思いの着物を仕上げておられました。 用紙を切り取ると変形ハガキとして郵送することも    出来るようになっていました!! この 「みどりのライオン」 という教育普及スペースは、 明治期の建築家 片山 東熊 さんの設計の東博の「表慶館」。 その入口にある獅子像が「みどり」だからとの  ネーミングだそうです。 ←ランキングにポチットな(・ω・)v

東京でやり残したこと・・・

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秋口に訪れる東京。。 ここ二三日は大阪も寒い日が続きますが、 例年よりもずっと秋めいていました。 東京ドームの前の紅葉はライトアップされ、 さも金色に輝くよう。。 黄金の国ジパングは桃山江戸時代の金箔文化を 異国人たちが目にしたからと一方で、 秋の金色に輝く紅葉、 そして実りの田畑の稲穂が煌めくのを  見て「黄金の国や」と言われたとも言われます。 実は東京を旅立つ11月17日は、 渋谷で虎次郎が好きな“太陽の塔”の兄弟分でもある、 岡本太郎さんが描いた「明日への神話」の     永久展示のスタートの日でもありました。 東京・渋谷のJR渋谷駅と商業施設 「渋谷マークシティ」を結ぶ連絡通路での、 除幕式はこの日の夕方。。 ぜひにとも立ち会いたいと思っていたが、 東京の実情を知る虎次郎の妹に 「渋谷なんて兄ちゃんには無理、  しかも初日はマスコミでごった返す。       またにしい。」と一蹴。 対面はまたの機会に  取っておくことにします。 ←2007/02/15 「明日への神話」に関するブログ 虎次郎の表参道探検!1> 岡本太郎記念館 ←ランキングにポチットな(・ω・)v