宗達の「むっくりの象」

風神・雷神図だけではなかった
 「大琳派展」

虎次郎のお気に入りは京都・養源院の 杉戸絵。
 俵屋宗達の造形美は「これだという作品」だと
                  思っています。










「白象図杉戸絵」



実はこの杉戸絵がある養源院 本堂は、
慶長5年(1600年)の伏見城の戦いで、
1800人の兵力で立て籠もった
鳥居 元忠(とりい もとただ)が最後に自刃した
 廊下の床板を伝える『血天井』のあるところにあります。

これらの武士の菩提を弔うために描いたのが
宗達さんのこの絵だとい言われています。
象、獅子、麒麟などは、「お念仏、御回向」に
 ちなんだものとなっていますが、
奇抜ながらも新たな輪郭の創り方は、
    これぞ琳派の曲線美が堪能できると思います。

実は象も獅子も麒麟も、みな阿吽形で対になっています!!














「唐獅子図杉戸絵」















「波と麒麟図杉戸絵」




光悦蒔絵にもある盛り上がるようなカーブ。。。
展覧会のコラムには象や鹿の背中を「むくり」と呼んでいた。

「日本文化の中に野性的で情熱的な美を探し、
 ついに出会った曲線を論じる独創的な日本建築論だ。
 タイトルに言う「てりむくり」とは何かというと、
 カバーの要約を引用した方が早そうだ。
 <反った屋根を 「てり屋根」、ふくれた屋根を「むくり屋根」と呼ぶ。
 「てり」と「むくり」が連続し、凸凹の滑らかな反転曲線をもつのが
 「てりむくり屋根」だ。神社仏閣の 軒先にかかる唐破風が
                  その典型である>。」 と。。。


ぼってりとではない
「むっくり」とした象。。
 心までむっくりと・・・




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