TARO100《無籍動物》

1960年に開業した 「戸倉上山田ヘルスセンター」という 巨大なレジャー施設にあった巨大彫刻が、 《動物》 という不思議な生き物。 「大人も子供も遊ぶときはみな同じ、 無邪気なものを」 というのが太郎さんのイメージ。 高さ4メートル、幅5メートル近くあった コンクリートの怪物は犬とも猪とも?? 当時は 《無籍動物》 と 名付けられていたようです。 擬人化されたような風貌には 目には大きな穴が・・・ どこかでみたような造形だと思っていたら、 土偶とかに見られる 「目のカタチ」と似通っているようにも。 縄文後期、宮城県出土、動物形土製品 太郎さんは本来あるべき目を抜くことで 表情や感情というちょうこくの持つ意味を消し、 視点を自由にさせることで観る者の創造力を 無限に広げさせようとしたのかも知れません。 完成当時は子供たちが彫刻の背中によじ上り、 目をくぐり抜けて遊んでいたといいます。 顔の裏側から 《動物》 の視点で覗くことができた・・・ 太郎さんの仕掛けが ここにあったと言われています。 現在は 「戸倉メリーランド白鳥園」 って 施設になっていて、 開園当時に置かれた 小型の《動物》 が健在です。