1971年頃に もちあがった 「中之島東部再開発計画」 。 近代建築物を取り壊し、 人工地盤上に新たなまちづくりは、 市民の反対運動で採用されなかった。 古い市庁舎と向きあう風景が、 おぼろげながらも思い出される。 1984年までは、 「大阪市役所旧本庁舎」 には、 シンボリックな塔が聳えていた。 在りし日の「大阪市役所旧本庁舎」 青少年をまもる 青銅製の「愛の鐘」、 「みお つくし」の市章と母子像、 手をつなぐ子ども達がデザインされている 「みおつくしの鐘」 は今では地上からは見えず、 毎夜10時に鳴り響く鐘の音が健在を示す。 御堂筋という喧騒な車列に挟まれて立つ。 花崗岩の外装に青銅色のドームの屋根が、 「日本銀行大阪支店」。 モデルは ベルギー国立銀行 なんだそうだ。 1903年に建てられたまさしく ルネッサンス様式の明治建築そのもの。 車寄せの小さい屋根のようなものを 「ペデュメント」 というそうだが、 窓と三角の屋根と柱だけど、 神殿建築のような形を作っている。 そこにある丸い櫛形のデザインは、 実は日銀の紋章を表している。 紙幣の肖像画の近くにあるマークと同じ。 単なる模様ではなく、 意味を持つ印が刻まれている 近代建築のオモシロさがここにある。 「日本銀行大阪支店」 建築年:1903年(明治36)、 改修1982年 石造煉瓦造2階建 設計:辰野金吾、葛西万司、長野宇平治