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神のつかわしめ たち⑤ 鯛〜京都・京都ゑびす神社

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右手に釣竿、 左手に 鯛を抱える ゑびすさま 。 夷、蛭子、恵比寿、 恵美酒とも表されます。 出自には二つのルーツ あって、 一つは イザナミ、イザナギのの第三子 、 満三歳になっても 歩かなかったため、 船に乗せられ捨てられる (ToT) やがて漂着した浜の 人々の手によって、 手厚く祀られたのが、 信仰のはじまりが ゑびす様 。 もう一つのルーツ… 大国主命の御子 であり、 少彦名命様と一緒に 大国主命の後を継ぎ、 出雲国を守っていた 釣りが得意な事代主命 。 由緒書きには… 鎌倉時代に 建仁寺開基 の 栄西禅師 が海での難を お助けになったのが 恵比寿神だったとか。 三十六歌仙の扁額 や 酒樽など…花街に近い ということもあり、 宵ゑびすの 宝恵かご社参 には、 東映太秦映画村の女優 さんたち、 十日ゑびす大祭にも 福笹の授与の奉仕。 なかなか艷やかな 夜の風景が見られる社。 大和大路通に面し立つ 「照昏夜」 の碑石。 昏夜とは暮れと夜のことで、 日が暮れて夜になる頃のこと。 花街が艶めくことを告げる時、 仮名草子に 「昏夜に  鬼を話(かた)る事なかれ。  鬼を話れば恠いたると…」 恠(け)とはあやしいの意。 扁額のある鳥居の次は… ここの 神紋は三つ柏 、 二の鳥居は木の鳥居で、 まんなかに波しぶきとともに 西日があたると眩しく光る。 三の鳥居には額束 のところに、 えびす様のお顔がついた 箕 、 そして 熊手の先には網 がつく。 幸運や金運を掻き集めるとして、 ここへお金を投げ入れるのだとか。 財布塚 には、 役目を終えた財布。 こちらは 名刺塚 … いずれも 松下幸之助 さんの 奉納なのだそうです。 立派な摂社は 天満宮 撫で牛 に 白太夫社 。 こちらは 北野天満宮の遥拝所 。 ここにも撫で牛 八幡神社 に 猿田彦神社 猿田彦大神の扁額。 もうひとつ 岩本稲荷大明神 《えびす》写楽  神使とされる鯛は、 ゑべっさんの好物… と思われがちですが、 好物は海老 。 《恵比寿》貨幣博物館 「鯛で海老を釣る」 は、 ゑびす様から鯛を戴く というところから… 大漁追福や商売繁盛を もたらす神様… お金まわりが良くなる。 京都ゑびす神社には、 「 二十日ゑびす 」 なるものがあって、 旧暦の9月20日、 いまは10月20日。 十日ゑびす はゑび...

神のつかわしめ たち④ 子〜敷津松之宮

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木津の大黒さん の横断幕、 そして 大国主神社 の石柱、 実は大国主神社は、 敷津松之宮 の摂社。 わかりやすく言うと、 メーンは敷津松之宮で、 大国主神社はサブにあたる お社なのです。 地名も駅名も逆転現象… 敷津ではなく大国町 。 地域にとっての 重要な社として、 大国町の由来は ここ大国主神社なのです。 氏神様と掲げられる 敷津松之宮 を先参り、 そして社殿前の 大黒天の石像 に願掛け。 大黒さまの 額にオデコを当て 、 次に 右手の小づち に触れる… 地元の人たちのお作法とか。 その後… 大国主神社 本殿へ。 坐するのは 「日出大国像」 (ひのでだいこくぞう)。 朝日を抱く代わりに、 小槌も袋も持たない、 独特のスタイルです。 絵馬には小槌がみえますが… 狛犬ではなく 狛鼠 … なぜネズミが大黒様の 神使となったのか? 古代の中国に家鼠を 霊獣とする信仰があって、 家にねずみを描く 風習があるとか… ネズミには災害を 予知する能力 があり、 火事や地震が起こる前に 集まって安全な場所へ 移動する習性がみられます。 《鼠大黒》白隠 図は鏡餅を前にして 大黒天が座禅 を組む、 音曲に興じる 七福神 たち。 黒袈裟のネズミたちは神妙、 宴の準備をするネズミもいます。 毘沙門天の代りの鍾馗 … 鍾馗だけはむっつりと。 『古事記』にも ネズミ 、 大国主命を救った と… 素妻鳴尊が大国主命の 能力を試そうとして、 大国主命に広野に行かせ 野原の草に火を放った。 《大根鼠画賛》仙厓 画 大国主命は逃げ場を 失ってとまどったところを、 一匹の鼠が現われ、 「この下に穴がある」と… 穴の底に身を伏せて、 お蔭で助かったという。 命の恩人…いや 命の恩ねずみ 。 ほど近くに… 商売繁盛笹もってこい の 今宮戎神社 が鎮座します。 御祭神は天照皇大神、 事代主命 、 素戔嗚尊、月讀尊、稚日女尊。 推古天皇の御代に聖徳太子が 四天王寺建立の際に、 西方の鎮護として祀られたと 伝えられています。 《大黒天 恵比寿》  河鍋 暁斎 画 事代主命は大国主命の子 として、 共に国造りを行った国津神。 いつも一緒にいることが多い。 いずれも 「大阪七福神めぐり」 に 連なる神社なのですが、 地元の風習として根強く 続けられるのは 「両社参り」 。 「えびす・だいこく  ...

神のつかわしめ たち① アカエイ〜大阪・廣田神社

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神社には 「神使」 と 呼ばれる動物たちがいます。 神の眷属 、 御先神 とも… 神に先駆け出現し、 神の意志を知る兆し ともされています。 「神のつかわしめ」 を 尋ねてみました。 今宮戎神社にほどちかい… 廣田神社 (ひろたじんじゃ)。 御祭神は 「撞賢木厳之御魂  天疎向津媛命」 長いおなまえ… ツキサカキ イツノミタマ アメサカル ムカツヒメノミコト 天照大御神の荒魂さま 。 荒魂といえば 伊勢神宮 にも 座しておられました 内宮の第一別宮の 「 荒祭宮 」 の神。 「祖霊社」 この辺りはかつては、 漁師町でして… 住吉さん も 海の神ですね。 拝殿には大きな絵馬二枚。 白馬とアカエ ??? 御祭神のもう一柱は 「賢彦名命」 という神様で、 サカヒナノミコト と読む。 エイに乗って訪れてくる という 智恵の神様 で、 関西ではアカエイのことを アカエと呼ぶそうです。 エイを捕まえると漁師は、 尻尾にある毒のトゲ を 切り落とします。 病気平癒… なかでも 痔病治癒 の ご利益で信仰を集めます。 漁師は 船底の冷え などで、 痔を患う漁師が多かったとか … 享和元年と 刻まれる お百度石。 叡知の「エイ」 とも通じ、 合格必勝の御利益 も。 境内にある 盡忠報国塔 天王寺の鎮守で 今宮村の産土神 で、 必勝祈願としての証。 《浪花百景 広田社》芳瀧 画 かつての境内には桜や萩… そして松林に囲まれて、 広田の杜 とも 蛭子の松原 とも呼ばれていたそうです。 《貞信・浪花百景 広田社雪景 》 アカエ断ち にて霊験あらたか、 実はアカエは美味なもの。 かつて廣田神社の宝物には、 禁裏御所御厨子所 御肴物御用の魚箱 。 漢方薬として珍重され、 アカエを断たせることで、 献上に繋げたのやも知れませ ん。 本殿裏にあるお稲荷さん。 お稲荷さんの眷属 は、 「きつね」ですが、 野山に居る狐ではなく、 白狐 “びゃっこさん” 。 わたしたちの目には 見えない存在なので、 白=透明なのです。 《浪花百景 広田星カ池稲荷》  芳雪画  お社をたずねると… 赤土大明神 ・ 米倉大明神 ・ 楠大明神 の三柱が 祀られていました。 朱の鳥居には「 赤土大明神 」 農業神の稲荷に赤土? かつて 神功皇后 は戦いのとき、 赤色に服や船を染めました。 赤土=丹土は鉄...