昔ばなしのキャラたち~驚異の超絶技巧③


【牙彫】信之《柴売》

「むかしむかし…
 お爺さんは芝刈りに〜」
驚異の超絶技巧の、
昔ばなしのキャラたち。

大竹亮峯《自在 眼鏡饅頭蟹》

金属を一切使わず
黄楊(ツゲ)から彫り出した
パーツを一つ一つ嵌め込む
カラッパ」という技法。
目は月長石をレンズ状に
くり抜いて裏から彩色。

【金工】宗金堂《象嵌銅香炉》

カニがでたら猿でしょ。
摘(つまみ)には、
岩上に腰掛ける猿。
緻密な毛彫による毛並み。

典型的な貿易用の大香炉、
これほど丁寧に象嵌、
そんな作品はとても珍しい。
欧米開催の万国博覧会への
出品品だったのでしょう。

本体には描かれる武人図
楠木正成と正行親子の
桜井の訣別の場面。

石川光明《兎》
 清水三年坂美術館 蔵

ぴったりと寄り添う2匹。

底面をみると…さらにぴったり、
一本から彫り出されています。

《遊景》更谷富造

甲羅干しに興ずる亀たち。
錆上げ高蒔絵
立体的に表されていて、
甲羅の文様は金付描、
切貝、切金、平目粉。
更谷北海道の川
拾った白い石だとか。

ちなみに「兎と亀」は、
イソップ寓話を翻訳した

伊曽保物語』によって
近世以降に知られたお話とも

高瀬好山《飛鶴吊香炉》

日本人に一番
なじみ深い鳥。

丹頂鶴が大きく翼を
広げて飛翔する姿。
背中の羽の一部を外すと、
銀製の落としがあって、
ここに灰を入れ炭団を焚く。
香木の芳しい薫りが、
浮遊する鶴から漂う…
なんとも優雅な香炉。

コチラ 下図に相当する
飛鶴のスケッチ、
香炉に付属しています。

【牙彫】安藤緑山《干鱈に鼠》

大黒さまの御使いの鼠
十二支の一番目です。
「一月一日の朝、
 一番から十二番目までに
 来たものを1年交代で
 動物の大将にする」
という神様からの手紙…

初代 宮川香山《猫ニ花細工花瓶》
 眞葛ミュージアム 蔵

でも猫だけは
一月二日の朝」と
鼠から聞いていたので、
猫は入れずの理由とか…

日光東照宮牡丹に眠り猫」、
所以のある意匠であること、
猫の目線がやや上目なのは?

壺の裏にはスズメ
気にしておるのです。

「舌切雀」って
話がありましたね。



それでは今夜はこの辺で
「坊やいい子だねんねしな〜」

【自在】穐山竹林斎《龍》

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