愛染さんの「多宝塔」


愛染さんの「多宝塔」は
天正4年(1576)の石山合戦の時には、
土塁が構築されて「天王寺城」とも称され
合戦の場となり焼失したあと、
桃山時代の慶長2年(1597)に
豊臣秀吉によって戦勝祈願のため再建されたもの。

高さ22メートルが背景が開けているので、
現実にはより大きく見える。
塔には大日大勝金剛尊が祀られ、
内側には極彩色の壁画が描かれているとか…

1907年には指定された旧国宝で、
1950年より国の重要文化財になっている。
上層は円筒、相輪を冠する一般的なかたち。

その美しい姿が定評を得ていたため、
1902年にサンフランシスコで行われた
万国博覧会に日本建築の代表として、
この塔の模型が出展されたそうです。

一重目にある蟇股
(かえるまた)には、
十二支の彫刻が彫られています。
十二支としては現存最古の装飾彫刻と言われ、
方位守護の意味が込められているのだとか。

雲がたなびく中、胴をくるっとまいた蛇の姿。

猿 栗に雲。

虎 笹竹に雲。

猪 牡丹に若松。



絵馬にも描かれています。

『摂津名所図会』 勝鬘院


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