お酒にまつわるエトセトラ 超甘口の古代酒

古代のお酒は米麹を使わないものだったようです。
なんと唾液によるアミラーゼの糖化とアルコール発酵によるもの。


その名も「口噛みの酒」
 「口噛み」の作業を行うのは巫女に限られていて、
  酒造りは女性の仕事だったようですね。
 でも誰かが噛んだものを飲むって二の足を踏んでしまいます。


NHKの番組に
「知るを楽しむ 歴史に好奇心」という
 ある意味NHKらしい番組があります。
  1月は『日本酒なるほど物語』やったんです。



東京農業大学の教授である 小泉 武雄 さんが担当されました。
 蒸したお米を女子大生3名を噛み手にして「口噛み」の酒を実現。
 でも3分も4分もずっと噛み続けることは、
 本当に大変な作業やったらしく、アゴは痛くなったとか。
 唾液のアミラーゼという成分が
 糖化とアルコール発酵を促した。。というわけです。

でも本当の古代酒は、
 コウジカビ=米麹を使ったことがスタートです。
 古代人は稲に付くカビを「稲魂(いなだま)」と言って、
 魂が宿っているのだと。。。
 古代の御酒は仕込み水が極端に少なかったようです。
 酒が腐るのを嫌ったのです。

濃いものは腐らないということを知っていました。
 濃い糖分があると「濃糖圧迫」といって雑菌が増殖できないんだそうです。

酒は古代は酔うというより
 砂糖が無かった時代の甘味料でもあったようです。
 酒粕は下級役人の給料でもあったようですね。
 「粕湯酒 うちすすろひて しはぶかひ
  はなびしびしに しかとあらぬ」
            とは 山上 憶良 のうたです。
 
古代の酒は本当に甘口やったようです。
 藤原 道長 は糖尿病の症状が30代から出て来て
 50で腫れ物、目が見えないといった合併症に悩んでいたとか。
 酒は神と人との橋渡しでしたし、酒を飲むのが重要な任務だったんで
 ある意味 職業病だったようです。藤原氏はみな酒豪ぞろいだったとか。

酒の「さ」稲の神様のこと、「け」食事のことなんです。
 朝食を朝餉(あさげ)というのがそれです。
 「さけ」とは神様の食事ということです。

さー神様に近づくためにも
        「お酒は楽しく!!」



※ 粕湯酒を啜って、咳き込み、
  鼻をぐずぐずいわせて、ろくにありもしない という意味


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