ひろしまのへいわ④ 聖堂に降り立つ鳳凰


世界平和記念聖堂には、
教会なのになぜうか、
鳳凰が降り立っています。
ただその姿は聖堂近くでは、
あまりはっきりと見れません。

見上げると内陣上部の
ドームの外形。
三つの輪を組み合わせた、
日本的なデザインです。

少し離れると「鳳凰」の姿。
宇治 平等院鳳凰堂の、
鳳凰がモデルなのです。。


にしもと みさこさんの書かれた絵本
ちゃあちゃんと世界平和記念聖堂』に
こんな一節があります。

「いろいろな人たちの意見もあり、
 宇治の平等院の鳳凰の写真をもとに、
 左官職人さん、鉄工職人さんたちと
 力を合わせての手作りでした。
 でも、やっぱり写真だけでは
 立体感がわからない……と
 一羽の軍鶏(しゃも)を買ってきて、
 みなで大切に世話をし、
 観察をしながら本当に立派な
 鳳凰を作り上げました。」

「(鳳凰は)地球儀を模した
 球の上に設置された。
 鳳凰は、挑みかかるように
 羽根を半開きにして西を向き、
 尾羽根が刃物のように
 鋭く逆立って、
 近くでみると、
 相当な迫力があった。」

はじめは十字架を載せる
予定だったそうでしたが、
村野藤吾の考えで
鳳凰になったそうです。 

で…最後に、モデルの軍鶏の行く末。
食糧不足のご時勢で“鍋”に、
という話になっていたのです。

でも、建設の現場の責任者の
ちゃあさん”さんのお蔭で、
逃がしてもらったそうですよ。

※世界平和記念聖堂のブログは、
広島大学工学部教授 石丸紀興 著
世界平和記念聖堂―広島にみる村野藤吾の建築
相模書房 1988年 を参考にしています。

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