村野藤吾のファサード② 森田ビル(大阪市中央区)


大阪船場にある黒いブロックを
重ねたようなオフィスビル
森田ビルディング」。

外壁は黒い御影石
ガラスもこだわりの熱線反射で、
まさに黒さのインパクト。

実はよくよく見ると…
5・6階と階下で異なっていて、
下は長方形で上は正方形。

水平に入る換気のためのアルミグリル
そして黒い帯をかさねたような
デザインは単調さを排しつつ、
重量を持ったカタチを示しています。

アルミパンチング…





【模型 1/200:京都工芸繊維大学蔵】

7階から上はセットバックされていて、
表通りからは余り見えません。

【1962年のパンフレット】

水平線と垂直線の重ねあわせ、
「…森田ビルの窓は、
単体で壁に穿たれた開口部
としての所謂「ポツ窓」なのか、
水平に連続する
「横連窓」なのかという点で、
極めて曖昧なイメージを
生み出している。」※

玄関ホール

エントランスホールから
下りて行く階段の脇に、
ステキなオブジェ。



地下1階食堂【竣工写真より】

地下駐車場へのスロープ

通り向かいにたつ白いビル

白と黒のアクセントがオモシロイ。


「森田ビルディング」
竣工年:1962年(昭和37)
設計 :村野・森建築事務所(村野藤吾)
構造:鉄筋コンクリート造、
   地上8階・地下3階・塔屋4階
所在地:大阪市中央区備後町2-4-6

※参考文献
『村野藤吾のファサードデザイン
 図面資料に見るその世界』国書刊行会,2013年
「寡黙な「黒」に隠された重層性」安達英俊

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