横浜・山手西洋館をあるく 山手234番館
関東大震災により横浜を離れた外国人に
戻ってもらうため、
その復興事業の一つとして建てられたのが
ここ「山手234番館」。
1927年頃(昭和2)に朝香吉蔵が設計した
外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス) 。
山手の洋館のほとんどが邸宅であるなかで
すこし異彩を放つ存在だが、
これが本来の「アパート」というツクりで。
テラスにローマ風の円柱が何本も立ちならぶ。
上下の2戸は全く同じ間取りで、
それぞれが対照形で配置されている。
そして2階部分にはテラスの代わりにバルコニー。
どの住戸も出入口はドアだけなので、
現代のマンションのプライバシー空間を思わせる。
ただ、そこは外国人向けの住まいだから、
それぞれに使用人部屋が付設されていた。
部屋のそれぞれには暖炉が設けられていて、
それが建物の左右に配置されているので
山手の洋館らしさの要素を持っている。
第二次大戦後は、米軍による接収などを経たのち、
一時期「ベンジェール化粧品」という会社の
事務所兼倉庫として使用されていたことがあるらしい。
「山手234番館」
建築年:1927年頃(昭和2)
構造:木造2階
設計:朝香吉蔵
【横浜市認定歴史的建造物】
横浜市公開西洋館7館の絵葉書「山手234番館」 |
※建物名をクリックすると
横浜の歴史的建造物ポストカード「山手234番館」 |