京都モダン建築祭2022 平安女学院 明治館

絵葉書より
大阪より京都への移転に伴い、
平安女学院の初代校舎として
建築された明治館

セント・アグネスのモダン建築祭
烏丸通沿いにある赤煉瓦の教会、
缶バッチなどオフィシャルグッズ販売
トートバッグもありました。

中高のメインエントランスに、
教会と明治館の受付、
午前中は長蛇の列だったとか…

明治館を設計したイギリスの建築家
アレクサンダー・ネルソン・ハンセルは、
1888年(明治21)に来日し神戸を中心に
広く活躍しました。
同志社大学ハリス理化学館
京都での最初の作品で1890年、
その5年後に建てられたのが明治館。

南北に棟を3つ並べた形

いずれも反転曲線を組み合わせた
"ゲーブル"という妻型と
"バンド・コース"石材の帯。
18世紀イギリスの
クィーン・アン・スタイルの再現。

ホールの空間を占める重厚な階段、
室内の扉と窓のミントグリーンは、
落ち着きを添えています。

1階からは折返しになっています。

1階階段下は物入れに

2階の階段の柱頭



美しいアーチ型のトラス梁
支えられた船底天井の2階講堂。

トラス梁を支える"ハンマービーム"は、
壁の上端から突出した
片持ち梁を挺出させ、
その上に立つアーチ材で
棟木や梁を支える小屋組のこと、
柱のない広い空間をつくるための
英国ゴシック建築の木造トラス構造

施工当時の講堂内

1895年の竣工から用途が変化し、
改造が加えられて当初の姿が
失われたところも少なくありません。
1995年の阪神淡路大震災では、
大きく損壊を受け取り壊しも
検討されたのだそうですが、
学院の歴史を象徵する建物として、
2004年から5年の歳月を費やし、
修復工事が施されました

旧状と現状が比較できる写真パネル

こちら修復中

壁面煉瓦は構造がわかるように、
あえて剥き出しにして保存されました。

こちらは復元のシャンデリア…
新しい長机が置かれていて、
現役の校舎なのです。

1階は大学のゼミにも使われるとか

暖炉のマントルピース
改修され往時を伝えています。

タイルは当時のもの

1階の南西側の
旧雨天練習場のレンガアーチは、
鉄骨で耐震補強されているとか…


モダン建築祭に先駆けて、
3年ぶりに有栖川宮旧邸 有栖館
特別公開が11月3日から3日間が
行われたそうです。絵葉書より…
元は京都地方裁判所の仮庁舎
1891年現在の場所に移築され、
2007年まで京都地方裁判所の
所長宿舎だったところ、
2008年8月に平安女学院が取得
市民講座の開催など、
日本の伝統文化の研究や教育の
情報発信として活用されています。

モダン建築祭後のアグネスエリアは
ナイトスポットになっているそうです。
アグネス・イルミネーションは17回目、
「Ho !Ho! Ho! Merry Christmas
   〜煌めく光で輝く笑顔を〜」

12月25日まで点されているとか。


★ 京都モダン建築祭 公開データ ★
平安女学院大学 明治館、室町館
公開日時 : 11月11日(金)-13日(日)
公開エリア: 明治館、室町館
所在地  : 京都市上京区武衛陣町221
明治館
竣工年  : 1895(明治28)年
改修年  : 2008(平成20)年
構造・規模: 煉瓦造・地上2階
設計   : アレクサンダー・ネルソン・ハンセル
施工   : 清水組(現清水建設)
【国登録有形文化財】

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