兵庫区を歩くvol.1 迷い子のしるべ石~湊八幡


日本で唯一つ
県名と区名が同じ、
兵庫県神戸市兵庫区
1931年9月1日発足した「湊西区」、
旧兵庫町のうち湊川以西の区域、
兵庫区と改称されたのは、
1933年1月1日のことです。

神社前には北前船寄港地
兵庫津」の幟が立つ。
六甲連山によって北西の
季節風が遮られ、
和田岬によって西からの
波浪が防がれる立地。
奈良時代の昔より、
瀬戸内海の交通の要衝として、
その名をとどめている場所。

社地の前は「西国街道」が
通じていました。
西国往還に儲けた
兵庫の出入り口「湊口惣門跡」。

池田信輝が織田信長の命により、
花隈城を攻略したことの功によって
兵庫を治し、城を築いたとある。
古図によれば惣門内には、
番所があったそうです。

祭神は応神天皇。
もとは湊玉生八幡宮
称されていたそうです。

現在の社殿は1950年代に
再建されたもので、
第二次世界大戦で社宝とともに
一切が焼失されたそうです。

境内に立つ2つの石碑、
鉄枠で補強されたのは、
戦災で折れたもとの石で、
横に新しい碑が建てられている。
警察活動の行き届かなかった時代、
迷い子さがしの方法だった
迷い子のしるべ」。

迷子を探す場合は、
特徴・年齢・住所・氏名を
紙に書いてこの石に張りつける。
保護した場合もここへ連れてきて
保護者に引き渡したり、
保護者が見つからないときは
迷子の住所・氏名などを書いた紙を
張るようになっていたそうです。

「迷子石」「迷子しるべ石」、
関西発祥とみられていて、
現存最古のものは
北野天満宮に残されているとか。
湊口のあたりは多くの人々で
ごった返していた、
そんな西国街道の賑わい
伝える一つなのかも知れません。


「湊八幡神社」
 神戸市兵庫区兵庫町1丁目

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