堺の街並みを往く〜住吉・大鳥の御旅所・宿院頓宮


利晶の杜にほど近く、
フェニックス通りの分離帯には
住吉 大鳥 両大社頓宮」の石碑。
住吉大社の住吉大神さまと神功皇后、
そして大鳥大社の摂社として、
大鳥井瀬神社が鎮座されておられます。

現在は境内はかなり狭いのですが、
古くは東西1町半、南北1町の地で、
四方に溝をめぐらし住吉大社の御旅所。

宿院は“宿居”とも書くそうで、
「神の假にましますゆえなり」とか。
東西南北の通路には11もの口
住吉の「吉」の字
ちなんだものだと伝わっています。

荒和大祓神事が営まれる境内西側に、
飯匙堀」もしくは「飯匙池」、
いひがひ」と読みますが、
元々は池の形が飯匙(しゃもじ)のよう、
ですから絵馬はシャモジ形なのです。

住吉の神輿は6月30日に
この飯匙の池にお渡りをなされ、
9月30日には玉出島に移ることが
恒例となっているのですが、
これがいわゆる「陰陽の御祓(おおはらえ)
をあらわしていると言われています。

彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)が、
塩津翁(しおつのおきな)
助けを借り竜宮に行き、
豊玉姫と契りを交わし、
(むこ)の引き出物として
干珠・満珠をもらった神話。

竜宮から帰って来て、
干珠は宿院の地に埋められたとか。
そして満珠は、
住吉境内社 大海神社に埋めたことにより、
九月の晦日に満珠を鎮魂され、
六月晦日に宿院にお越しになるのは、
干珠を鎮魂なさるためなのです。
竜宮伝説が交わる場所が
ここにありました。

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