「唐津」をぶらり 旧唐津銀行本店

吉野ヶ里」が大きくに報道された1989年に、
同じ佐賀県だということで訪れた「唐津」に再び...
今回もレトロな風景をぶらってきたよ(・ω・)v
唐津まちあるき」パンフには、
初めてだけどなつかしい」赤れんがを楽しむ。

「志し高く、楽天的だった明治に生きる人々、
そして、石炭、製紙などで近代を支え、
繁栄した唐津のあの頃。そのたくましさは、
現代の私たちに大きな力を与えてくれるに違いない。」
かつて唐津城内には「耐恒寮」という
新時代の新時代育成のための英学塾というのがあり、
そこで学んだ一人が近代建築の巨匠の 辰野金吾
そう日本銀行や東京駅の設計者がその人である。
旧唐津銀行本店」の設計は、
藩校の同級生の大島小太郎 より依頼を受けたのだが、
まさに国家プロジェクト「東京駅」設計工事の真っ最中。
そのため設計は愛弟子の 田中実 に委ねたのだそうだ。
デザイン的にはまさしく「辰野式」だが、
そして当時最新建築材であった
クリーム色の陶土に釉薬(ゆうやく)をかけて焼いた
煉瓦調タイルが使用されています。

王冠のように強調した尖塔は、
ランドマークとしてのザ・辰野式である
3連の大アーチ
銅板製のドーマー窓が設けられた屋根は
天然スレート葺きなのだそうだ。
1階は多目的ホールに休憩スペースになってて、
唐津出身二人の唐津焼の胸像が置かれていた。
ちなみに曽禰達蔵も「耐恒寮」出身の建築家で、
丸の内の三菱オフィス街の基礎を築いた人。
 
銀行カウンターと吹き抜けロビー。
艶やかな手摺に赤絨毯が敷かれた階段を上がると...
貴賓室の天井の飾りはみごという外ない。
そして大理石で縁取られた暖炉の
マントルピース」があちこちに。
そうカウンターホールにもあったぞ、
さすが石炭の街!!
品格のある意匠が鏤められた見事な仕上がりは、
辰野は設計はもとより施工の細部にまで厳しかったとか、
師匠の故郷での仕事だけにこの上ない
大プレッシャーの「お仕事」やったんでしょうな〜
竣工当時 辰野57歳、田中27歳。
ふるさと唐津へ捧げた師弟愛の結晶とも言えるが、
実は愛弟子 田中実と辰野金吾の共作は
ここ旧唐津銀行しか残っていないのだという。

唐津銀行本店 本館
建築年:1912年(明治45)
構造:木造・煉瓦造り地上2階、塔屋、地下1階
設計:田中実
設計監修:辰野金吾
所在地:佐賀県唐津市本町1513-15
【唐津市指定重要文化財】

参考文献:しみずアーカイブズ
【第23回】歴史に残る建造物(その11)「旧唐津銀行本店」

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