Randy Bass バース本塁打傑作選 VOL.5

Randy Bass バース本塁打傑作選 VOL.5

1985年4月17日 対巨人 2回戦
  春の夜の夢


































開幕して間もない、寒い夜のゲームだったな。
まだ長袖のアンダーシャツを着ていたのを覚えてるよ。

あの打席の前までヒットは一本か二本しか
打っていなかった。
ボクは元来、スロー・スターターなんだ。
みんなが打っていたのでボクだけが
取り残されているように思われていたんだろうけど。
ここはせっかちな日とが多いから。
特に前のボスはね。

でも今のボスは違った。
全てを俺に任せてくれたんだ。
だから結果はでなくても、
コンディションはずっとよかった。

ジャイアンツとやる時は、
独特な雰囲気があるんだ。
俺も含めて、みんあが燃えている感じさ。
あの場面もリードされていたけれど
ベンチのムードは悪くなかった。

ボクは槙原のストレート的を絞って、
ボックスにはいった。
彼は素晴らしいファースト・ボールを投げるからね。
売ったのはシュート回転の球。
コントロールミスだったんだろう、
真ん中へ来たから。
手応えも十分あったしはいると思ったよ。
ガッツ・ポーズ?覚えてないな。
あの場の雰囲気がそうさせたんだろう。
でも、びっくりしたのはその後さ。
三人続けて、あそこに飛んだんだから。

俺が打つと、掛布や岡田も続く。
というのは昨年からのいいパターンだった。
でもまさか、あんなことになるとは、
驚きを通り越して、妙な感じがしたな。
全くファンタスティックな夜だった。
後でクロマティにあった時、言ってたよ。

「俺は一体、
 ここで何をしているんだろうって思った」ってね。
顔を見合わせて大笑いさ。

もうあんなことはありえないだろう。
奇蹟はそんなに起こらないだろうから。
でもそれじゃあ、ファンは納得しないかな。
とにかくタイガースファンはクレイジーだから。
今でも甲子園球場がたっているのが不思議なくらいさ。



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