梅雨どき美術館三昧(1)「描かれたことば」

京都市美術館 コレクション展の

「描かれたことば」
     を覗いて来ました。


近代美術における美術と言葉の関係を、
 様々な局面から探っていくという企画展で、
 なかなか面白い視点での展示でした。

ルネサンス期以降の西洋画では、
 写実的表現の台頭とともに「文字」が居場所を失い、
 画面から消えて行ったようです。
その反面、日本画においては
 “ 画賛 ”と呼ばれるスタイルが
息づき
 「文字」が描かれ続けたようです。



展覧会は次のセクションで構成されていました。
1)描かれた文字
 絵のなかにモチーフの一部として登場する文字。
「書」かれるのではなく「描」 かれる文字の姿を追う。

2)署名と絵画空間
 絵の画面上にありながら、
 「文字」として読まれることを前提とした「署名」。
 絵 画と署名の様々な関係を探る。


竹内 栖鳳《うな辺 》1926年頃
「隣村の鯛網白し八日月」という
 栖鳳自作の句 の中の
「鯛」
の字のみを
   絵で表している。





3)造形要素としての文字
 近現代絵画の造形要素として取り込まれた文字・記号。

4)書画同源
 東洋における「絵」と「言葉」の親密な関係。

5) 物語る絵画
 「物語」を描いた絵画は、
 「絵」が「言葉」の役割を担っているという見方もできる。
 言葉の手助けなしに物語を表現しようとする絵画を見る。

6)モノとなった言葉、言葉の身振り
 文字や言葉を連想するモチーフ、
 会話や読書など人が言葉を扱う行為を描いた作品。


都路 華香 (つじかこう)
《本とねずみ》













虎次郎 が一番気に入ったのは、
大津絵の流れをくむ
竹内 栖鳳さん《 酔 興 》

ねずみねこ酒宴
 興じています。




所蔵:京都市美術館
年代 :1924 大正13年

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