直虎をたどる その弐 直虎の位牌と渭伊神社


井伊直虎の記録というのは、
実はあまり残っていないのです。
井伊家ゆかりの地「妙雲寺」。

もとは自耕庵と呼ばれていたそうで、
直虎の位牌がみつかったのは、
ごく最近で2015年11月のこと。
寺の住職と檀徒(だんと)さんが、
本堂整理の折に見つけたそうです。

土、日曜と祝日限定での一般公開は、
実は檀徒さん…わかりやく言えば、
檀家の人たちが交代で面倒を
みてくれてはるということ。
大阪から来ました」と伝えると、
えらい歓待してもらえました。

妙雲寺は兼務寺で普段は住職が
おられないというお寺なのです。
晋光寺の武田住職が兼ねられています。

制作時期は不明ですが、
奥のガラスケースにあるのが、
井伊直虎(左)と南渓瑞聞の位牌。
 
井伊直虎の位牌には
「當寺開基
 妙雲院月船祐圓大姉」と。
『南渓過去帳』には
「月泉祐圓禅定尼」
とあるそうですが…
 
女性の直虎を領主に推薦し、
井伊家の再興に貢献した
龍潭寺2代目住職であった
南渓和尚の位牌。
「前住妙心當寺開山
 南渓和尚大禅師」とある。

直虎が女性だったという根拠は、
江戸時代中期に龍潭寺の
和尚が記した『井伊家伝記』。

度重なる当主の戦死などで
幼い男子しか残らず、
その後見人として井伊直盛の
一人娘の「次郎法師」が
「井伊直虎」と名乗って
井伊家を救ったとによる。


「南渓和尚の頂相」
こちらも長らくあったものを、
裏打ちを確認して南渓和尚の
それと最近判明されたものです。

井の国の中心となる
古代以来の「渭伊神社」。
南北兵乱のとき龍潭寺の境内から
現在地へ移ったといわれる。
井戸や井水を祭祀対象とした神社、
井伊氏発祥の地であるとともに、
井伊家の氏神でもあります。



蟇股には井の紋が見える。

神社境内には「天白磐座遺跡
(てんぱくいわくらいせき)。

「おんな城主 直虎」ロケが行われ、
井伊直虎が身を隠すシーンなどが
撮影された場所なのです。


巨石の下から、大きな土師器や、
陶器の破片がたくさん出土。
いにしえの祭祀の場であったところ。

井伊谷の雰囲気を感じられる
場所でもありました。
巨石遺跡で超自然的配置、
直虎ファンが押し寄せる前に、
しっかと観てきました。

最近 井伊家古文書には
男子とする記述
見つかったともあり…

大河ドラマの描き方には、
史料の少なさがシンパイとの
声も聞かれるとか。
脚本の仕立てに期待しましょう!!


※位牌と南渓和尚の頂相は、妙雲寺で
いただいたリーフレットより転載しました。

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