奈良じゃろの〜① JR奈良駅
2代目の駅舎の旧JR奈良駅。
鉄筋コンクリート造2階建て、
いまは周辺の高架化工事のため、
2004年5月に曳家方式で、
北へ約18メートル移動され、
奈良市総合観光案内所に。
奈良駅の初代駅舎は
”三条のすてんしょん”と
頭頂部に相輪があり、
その上には水煙もあります。
実はこの相輪、
実はこの相輪、
寺院側から反対の声!
設計者らは県や文部省に訴え、
ようやく説得にこぎ着けたそうです。
平行垂木の四隅には風鐸もあります。
1934年に誕生した駅舎の設計は、
大阪鉄道局にいた柴田四郎が考え、
大阪鉄道局にいた柴田四郎が考え、
基本部分は増田誠一の手によるもの。
1930年に外国人観光客の誘致を
目的として鉄道省は、
国際観光課なるものを
設置したそうです。
奈良駅の改築も洋風建築の構造に
和風スタイルを加えるってのが、
コンセプトだったと伝わります。
和洋折衷の流行りを追いかけず、
あえて和洋を取り込みました。
増田誠一は自らカメラをとって、
奈良建築を徹底的に探求したとか。
法隆寺の宮大工にも
教えを請ったとのエピソードが
のこっています。
設計者の
柴田四郎はこう記しています。
「千二百年の古都奈良市の表玄関として
単なる在来の所謂洋風建築を避けたい
との意向が各方面に多かった事は
私も最も首肯出来る事でした。
しかし私は大都市のシティーゲートは
絶対に耐震耐火構造で
なければならないと考えて居ります。」…
屋根瓦は今は黒瓦ですが、
完成後30年間はスパニッシュ瓦でした。
大きな雨返しが付いていて、
雨漏りしにくいのが特徴。
瓦の色はヴィリジアン、
奈良とゆかりの深緑色。
1964年に床タイルの張替え、
屋根瓦の葺替え等修理工事。
そこかしこに当時からの雰囲気を、
漂わせています。
中に入ると朱塗りの柱が出で立つ。
平城宮跡の「第1次大極殿正殿」
復元の際に作られた柱と組物、
見事に再利用されていました。
近鉄で向かうのですが、
→奈良市総合観光案内所
建築年:1934年(昭和9)
構造 :鉄骨鉄筋コンクリート造2階建設計 :大阪鉄道管理局工務課 柴田四郎、増田誠一
【近代化産業遺産】