絵にみる和食通② 桜の宴

満開の桜...
春の嵐で散る前に楽しまねばなりませぬ。
花より団子という言葉がありますが、
花見には宴がつきものですね。
花散らしの嵐もまた粋なものです。
で...和食通のお話を…
長い群雄割拠の混乱した
時代が一段落すると、
平和を謳歌し享楽する実力者がでてきます。
秀吉の醍醐の花見
その分岐点なのかも知れませね。
「花下群舞図」部分
これは神戸市立博物館にある
花下群舞図(かかぐんぶずびょうぶ)
右隻にあるのは祇園社での花見です。
毛氈が敷かれた酒宴の陣幕の裏手では、
酒宴の料理を準備する姿も見られます。
「武士の献立」より


















そして左隻には上賀茂社での宴の情景。
庖丁師(庖丁侍)描かれています。
彼らの姿は
酒飯論絵巻」をベースにしており、
大きな俎板(まないた)の上にのった魚を
真魚箸(まなばし)はさみ庖丁を入れています。

鳥の臓物を取り出すところや、
小さな器で味見をしているところも...
中心には「風流踊」(ふりゅうおどり)
実は切手にもなっておるのです。
こちらは東京の出光美術館にある
四季日待図巻」。
流転の絵師・英一蝶が描いたもので、
数え年47歳からの11年間、
伊豆 三宅島で
流刑の身の作品と伝わります。
一蝶自身もかつて親しんだに違いない
都市の遊興の様相が
細かい筆づかいと淡色で表現されています。

場面は最終段の風流踊と台所の場面。
吹抜屋台法すやり霞
日本画の系譜に連なります。
歌川国貞画の「青楼二階之図」。
東京の太田記念美術館が持つもので、
吉原の一流の揚屋(あげや)
月波楼」往時が表現されています。
大廊下には客への贈り物の肴や酒などが
その出番を待っています。
一般的には登楼客の料理は仕出し屋から
取り寄せられていたようです。
ただ「ひやかし客」なども
多く出入りしていて、
入郭者の腹ごしらえなどには 
うどん・そば といった
麺類店が利用されたそうです。

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