『萌えの起源』をさぐる

今年のタイガースの観戦は、
多くの虎友さんとの出会いのなかで、
いわゆる阪神の選手に対して
「萌え」を感じるとのオーエンというか、
モエモエってことになるってこと。

虎次郎が思うカッコいいとか、
渋いとか、ひた向きさってことに
   なるのだろうか。



書店で見つけた
『萌えの起源』という新書。
萌えの起源をたどると手塚作品という
    ことになるのだという。

手塚治虫さんの作品に
『メトロポリス』というのがあります。
そこのヒロインは
中性的な人間型ロボット=アンドロイド。
喉の奥のスイッチを押すと
男性にも女性にもなれるというキャラ。


そこには性差はなく、
機械と人間の違いさえ曖昧にされています。

実は 手塚治虫 さんには、
かなり初期の段階から
根幹にあったものだというのです。
「「メタモルフェーゼ(変身)」に対する憧れと、
 もう一つ重要な、
 男性の性差ばかりか人間とそうでないものの
 垣根さえ越えた
 「生命平等主義(グローバリズム)」とでも呼ぶべき、
 手塚さんの理想に要約されるものだと思います。」
と。


「萌え」的な要素の本質を、鳴海 丈 さんは
『萌えの起源』のなかで、
「性的倒錯の一種であるフェティシズムだ」
       と言われています。

1968年に書かれた
『38度線上の怪物』
この作品のヒロインは、
結核菌軍団副司令の娘モード。
人間の形をしていますが、結核菌です。
ただ細菌なのに可愛い。




『アンパンマン』にでてくる
ドキンちゃんの元祖かもしれません。



ちょっと横道にそれますが、
手塚治虫さんの記念館のある宝塚は、
『雪之丞変化』の舞台にもなっています。

原作者の池田理代子さん本人が
  認めておられるのですが、
大ヒット作『ベルサイユのばら』
男装のヒロインの
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジュの
ルーツは『リボンの騎士』
サファイアなんだそうです。





日本という国は、少なくとも表現のジャンルにおいては、
昔から性の垣根が非常に少ないか、
ないに等しかったようですね。

映画やテレビドラマでは一昔前まで、
女の子が男の子の役、
またはその逆で
キャスティングされることが
多かったし、
アニメの『アトム』、
『ドラゴンボール』の
「孫悟空」なんかも
声優は女性がこなしていますね。









先日の朝日新聞に
「ディズニー映画 オバマ氏登場の2009年
 今度のお姫様はアフリカ系」
という
   記事がありましたね。
ディズニーの映画で初めての
アフリカ系のプリンセスなのだそうです。















  『プリンセスと魔法のキス』3月6日公開



「初のアフリカ系大統領としてオバマ氏が
 登場した年でもあり、
 黒人社会は概ね好意的に迎えているものの、
 複雑な思いも交錯する。」
とある。

「当時の人種差別をキチンと描いていない」
「王子様が黒人らしくない」
「仲間の蛍が歯抜けとして描かれている」
  すでに黒人を対象にしたブログなどで、
  批判の声が並んでいるという。

『萌えの起源』にはこんなコトバありました。

「アメリカのような主に移民で構成された
 多民族国家と違って、
 ほぼ単一民族に近い国家にすむ

 日本人は「差別」に関して鈍感ところがあり、
 積極的に同性愛者のような
 社会的マイノリティの権利を

 拡大しようという発想があまりありません。
 それは欠点かもしれませんが、
 その代わり、逆にそうした人達の忌避感も薄い。

 節操がない、という言い方もできますが、
 昨今のハリウッド映画に見られるような、
 白人も黒人もアジア系も揃って出てくる
 不自然な人種配分もなければ、
 男女を均等に描かなければと考えるあまりの
 無理矢理な演出、ガチガチに作為的な設定の
 ヒーロー(ヒロイン)像が
 生まれてくることも少ないのです。」



子供向け映画だと捨ておけない国とは、
ちょっと事情は違うのかもしれません。
うーーん
 脱出先がなくなってきたのでこの辺で。。。


  

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