京の冬の旅2023 知恩院 大方丈・小方丈
京の冬の旅は寺院により期日さまざま、
知恩院さんは年末に訪れましたが…
特別公開は1月20日スタートで、
先週行ってきました。
再訪問なので勝手知ったる…
それでも初めて訪れた人は、
迷われてるようでしたので、
ご案内を…
忘れ傘の下を通って…
御影堂の回りをぐるりと…
集会堂(しゅうえどう)よりさらに右手へ
「欣求浄土」の特別朱印の授与、
ここではなく朱印所にて。
"知恩院の七不思議"の展示の先に
大方丈・小方丈があるのです。
大方丈・小方丈ともに徳川家光の
寄進により1641(寛永18)年に建立。
大方丈の「上段の間」は二条城と
同形式の書院造が用いられいます。
徳川将軍が御成りの折に使用、
床、棚、付書院、帳台構が付く。
そして狩野派お得意の豪快な松、
襖から飛び出すほどの力強さ…
大方丈「仙人の間」
中国の故事をもとにした
西王母や仙人たちが描かれ、
警護の侍が控えた
武者隠しも作られるなど、
城郭にみられる設えになっています。
仏間の「鶴の間」は、最も広く、
光が当たると、金箔の反射…
鶴の姿が生き生きとしていました。
中央には歴代天皇と、
徳川将軍家の位牌が祀られています。
描かれる鶴は九羽ですが、
廊下からはすべてを
認めることはできません。
松、岩、流水とともに華麗な姿、
さまざまな動きを見せる鶴たち。
いわゆる"金碧障壁画"でして、
狩野探幽の弟にあたる狩野尚信が
描いたものとされています。
実は尚信の作品はあまり
残されてないのでして、
まとまって見れるチャンスは、
次はいつのことになるやら、
京の冬の旅2023の一番のオススメは、
ここ知恩院大方丈・小方丈なのです。
小方丈は将軍上洛の折に宿泊した所、
6つの部屋からなっています。
ちなみに"こほうじょう"と読むとか…
小方丈「上段」には、
床・棚・付書院・帳台構が付く。
大方丈が金箔を用いた
豊かな色彩であるのに比べ、
小方丈は対照的に水墨画で飾られ、
落ち着いた雰囲気に包まれてるのは、
将軍のプライベート空間との理由。
小方丈「雪中山水の間」
狩野尚信筆の"雪中山水図"、
正面には大床が設けられていて、
「華頂山」の原筆の複製を飾る。
お気づきの方はおられるだろうか、
襖の上の欄間には透かし彫ではない。
"縦繁欄間"とも言われる形式のもの…
欄間に隙間を作らないことで、
刺客の攻撃を御するための設え。
知恩院七不思議の一つ"抜け雀"、
順路としては最後、
大方丈「菊の間」の"菊垣図"。
元々は白の菊の上に
数羽の雀が描かれていたが、
あまりの上手さに雀が
生命を受けて飛び去ったので、
飛び去った雀の跡…。
実は西本願寺にも"抜け雀"、
鴻の間の西南角「雀の間」、
円山応挙の長男である円山応瑞の筆
「雀と竹の図」の襖絵。
88羽描かれたと
されているのにもかかわらず、
2羽(にわ)見当たらず…
"庭に逃げた"ので86羽とか。
落語「抜け雀」
小田原宿の小さな旅籠に、
「内金に百両も預けておこうか」
と言った男、七日の間、
一日中大酒を食らい寝ているだけ。
五両内金を求めるが金が無いと…
男の商売は絵師、
襖の上の欄間には透かし彫ではない。
"縦繁欄間"とも言われる形式のもの…
欄間に隙間を作らないことで、
刺客の攻撃を御するための設え。
知恩院七不思議の一つ"抜け雀"、
順路としては最後、
大方丈「菊の間」の"菊垣図"。
元々は白の菊の上に
数羽の雀が描かれていたが、
あまりの上手さに雀が
生命を受けて飛び去ったので、
飛び去った雀の跡…。
実は西本願寺にも"抜け雀"、
鴻の間の西南角「雀の間」、
円山応挙の長男である円山応瑞の筆
「雀と竹の図」の襖絵。
88羽描かれたと
されているのにもかかわらず、
2羽(にわ)見当たらず…
"庭に逃げた"ので86羽とか。
落語「抜け雀」
小田原宿の小さな旅籠に、
「内金に百両も預けておこうか」
と言った男、七日の間、
一日中大酒を食らい寝ているだけ。
五両内金を求めるが金が無いと…
男の商売は絵師、
抵当(かた)に新しい衝立に
雀が五羽描き「一羽一両だ」と。
抵当に置くだけで、
帰りに金を払うまで
売ってはならないと言い置き。
数日後、
六十すぎの品のいい老人が泊まり、
「心が定まらないから、
この様な雀を描く。この雀はな、
止まり木が描いていないから、
自然に疲れて落ちて死ぬ」と…
知恩院の抜け雀も止まり木を
描けば戻ってくるかも…
お後がよろしいようで。
雀が五羽描き「一羽一両だ」と。
抵当に置くだけで、
帰りに金を払うまで
売ってはならないと言い置き。
数日後、
六十すぎの品のいい老人が泊まり、
「心が定まらないから、
この様な雀を描く。この雀はな、
止まり木が描いていないから、
自然に疲れて落ちて死ぬ」と…
知恩院の抜け雀も止まり木を
描けば戻ってくるかも…
お後がよろしいようで。