YOKOHAMA☆サイドvol.7 中華街の牌楼をあるく


横浜中華街の入口を示す"中華街"の門、
門は正式には牌楼(ぱいろう)、
牌は文字が書かれた看板、
楼は高い建物という意味。
「牌楼は全部で10基あります。
 中国の風水思想に基づいて
 建てられています。」

老舗「萬珍樓」社長 林兼正の話。

門をくぐり振り返ると朝陽門
そして西南北には、
朱雀門、延平門、玄武門
配されているのです。

東の守護神"青龍"が彩られた"朝陽門"、
南西北はそれぞれ
朱雀"、"白虎"、"玄武"
聖獣4体が東西南北を守っています。

10基のうち最後にできたのが朝陽門で、
完成は2003年のことでした。
最初の門"延平門"の落成は1994年、
中華街はどん底状態にありました。
バブル経済が崩壊し来街者が激減、
年間推計で450万人も減ったのです。

四獣の話に戻ります…
朱雀門と玄武門があるのに、
青龍門と白虎門はないのはナゼ?


門柱の上には守護神"白虎"の彫刻、
白虎門」と名付ければよいのでは?
林氏は1993年に中華街発展会の
理事長に就任し厳しい環境の中にあって、
既存の門の改築、新たな門の新築に
乗り出したのです…
風水思想を基に
 中華街の東南西北に門を設けて
 街を守るとともに、
 中国の伝統文化を紹介し、
 観光資源として活用すること」。

そこに待ったがかかったります…
中華街の華僑社会には風水を
占いの一種、迷信と考える人がいて、
なかなか前に進めなかった
とか。

四方四門をはじめ色に所以があり、
1日の時間と季節などを示していて、
守護神は朱雀で色は赤…
ただ北に置かれる門の色は、
風水によれば「」。
黒い門は見栄えがしないとされ、
懐疑派、反対派を半年かけて
懸命に説得したのが林氏。

最も難航したのは門の名称。
風水によれば西の門は「白虎門」…
台湾系華僑から"白虎は性的な隠語"
だと強い反対が出されたそうで、
中国の古い文献を調べて、
"延平門"とすることで落ち着く。
「青龍門」については、
白虎門への反対のあおりを受け、
中国の古い文献より"朝陽門"に…

中華街の中心に鎮座するのが
商売の神様「関帝廟」。

関帝廟通りの
西端に立つのが"地久門"、
東端に"天長門"があって、
天と地という相補の関係にある。

内側から見上げると"関帝廟道"

関帝廟の前の店舗にもレリーフ。

この門と関帝廟の中間あたりに、
"日本国新聞発祥之地"がある、
「海外新聞」を発刊した場所。

ジョセフ彦は1837年(天保8)生まれ、
1850年(嘉永3年)に江戸から
船で故郷に帰る途中暴風雨に遭遇、
太平洋漂流後にアメリカ商船に救われ、
アメリカに渡り"ジョセフ"の洗礼名を受け、
アメリカの国籍を得たこともあり、
ハリスとともに1859年(安政6)に、
開国直後の日本に着任した人。

1864年(元治元年)に再来日、
わが国最初の新聞を発刊した。
最初は手書きだったが、
その後に活版印刷を用い、
2年間で26号まで発行されたとか。

山下町公園にはあずまやは"會芳亭"
"英国波止場"いまの
大さん橋のたもとを1番地として、
元町交差点近くまでが外国人居留地でした。
そのなかの111~192番地の斜めの一帯、
現在の中華街にあたります。
1868年頃に劇場と料理屋を兼ねた
"会芳楼"が誕生します。
1878年頃までに姿を消したのですが、
1883年に"清国領事館"の新館建設地が、
この“135番地”だったそうです。
その後は中華民国総領事館となり、
横浜をはじめとした中国人たちの
外交代表機関として、
ここに歴史が重ねられたのです。

"ラグビー発祥地 横浜"と銘打たれた碑、
慶應大の英語講師 E・Bクラーク氏が、
学生たちに教えたのが1899年のこと、
外国人によってそれよりも前に、
ラグビーがプレーされていた地とか。
横浜に駐屯していた英国兵らが
1866年に"横浜フットボールクラブ"
を設立し、碑にあるイラストは、
1873年のラグビー日本初プレーの光景とか。

"市場通り"にも牌楼…
関東大震災の前頃に
自然発生的に出店しはじめ、
当時は朝市だけの通りだったとか。
終戦後物資不足で"朝市通り"と呼ばれ、
賑わいをみせていたようですが、
1970年代頃から観光地化され、
"中華街の台所"から中華料理店街に。

古来中国で強い動物と言えば龍と虎、
その聖獣の青い龍と白い虎
中華街の東西を守護しているのですが、
ちなみに"朱雀門"は前田橋を
渡ったところに建ち、
横浜スタジアムの方から入る時に
くぐるの門が"玄武門"、
次回はカメラに収めたいと思います。

※このブログは はまれぽ.COM
 横浜中華街にある各門には、
 どんな意味があるの?
    の記事を参考にしました。

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