京の冬の旅2022 仁和寺伽藍その2 五重塔へ


日本に現存の主な五重塔は55基とか…
日本人が一番目に触れているのは、
"仁和寺の五重塔だろう"と

解説されるのは作家で若一光司さん、
読売テレビのコメンテーターと
関西ではお馴染みなのです。
興福寺?東寺??ちゃうの…
映画やテレビなどの時代劇に、
仁和寺の五重塔が頻繁に登場、
「時代劇に出てくる五重塔の大半は、
 仁和寺の五重塔」なのだと。


「下層から上層に至る
 各層の屋根の大きさがほぼ同一」

江戸期の五重塔の様式そのもので、
江戸の時代感を演出するには、
恰好の素材
との所以で登場多し。
人気時代劇『鬼平犯科帳』では、
御室桜越しに眺めた五重塔が
エンディングを飾っているし、
『遠山の金さん』『暴れん坊将軍』、
そこでは真っ赤な紅葉透かし
五重塔が彩りを添えているのです。

こちらは醍醐寺の五重塔…
京都で最古のもの
ですが、
朱雀天皇が父醍醐天皇の冥福を
祈って起工したもので完成は、
951年(天暦5)なので…
時代考証以前の問題なのです
(T_T)

仁和寺の五重塔にもどります…
相輪までの高さ約36mながらも
細身で優美な姿が美しい。
1637年(寛永14)建立と伝わりますが、
昭和の屋根葺替で寛永21年の
墨書のある土居葺板が発見…


柱の上の組物は簡素な三手先、
蟇股にも装飾彫刻を施さず…
和様を踏襲しています。

こちらは2021年春に、
金堂ともに初層内陣が公開…

密教では両界曼荼羅のうち
胎蔵界曼荼羅を東方に
掛けるのですが、
教理に沿い胎蔵界大日如来像が
西側正面の礼拝者の前に、
その脇に西方仏の無量寿如来

天鼓雷音(てんこらいおん)・
宝幢(ほうどう)・開敷華王(かいふけおう)

の四如来が北東南にそれぞれ、
四天柱に諸仏、
側壁内側に真言八祖を極彩色にて…

初重西側にかかるのは梵字の額、
大日如来を表した梵字です。

仁和寺の伽藍は様々な伽藍がみられ、
サスペンスドラマにも中門は、
二王門を遠景にしてたびたび登場…

都大路に模される"白砂の参道"

城内や大名屋敷内の場面撮影には、
"御室御所跡"や三宝院庭園

江戸市中の景観演出には
"観音堂周辺"がバエル。

金堂の東の林間に鎮まる"九所明神"、
『暴れん坊将軍』を追うと…
使いでのある場所かが
よくわかるのです。
悪者から逃げてきた娘が
社前で一息ついていると、
塀の向こうからならず者が
へっへっと笑いながら現れる

またあるときは…
人目を避けて怪しげな取引場に。

1983年の大奥『暴かれた禁男の園』
ちょっと様変わりな使われ方、
東照宮の御霊屋という設定なので、
金ぴかの葵の御紋でデコられた

九所明神 本殿の前の拝殿
こちらはちょっといかめしい。
『子連れ狼』では高遠藩城下、
家老暗殺をしくじり追われる
若侍たちを拝一刀が助けるシーン。
マツケンの2001年『鞍馬天狗』では、
ここで少年杉作が登場したとか…


※このブログは 若一光司 京阪沿線に此の塔あり
 シリーズ7 仁和寺 五重塔を参考にしました。

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