大阪の社をたずねる 高津宮
上町台地の一段
高いとこにある高津宮。
四ケ所の参道にはいずれも階段。
こちらは西坂…俗に縁切坂とか。
門に至ると相合坂が反対に、
ちょうど頂点のところは、
縁結びということ。
浪速の地を皇都(高津宮)と定め
大阪隆昌の基を築かれた
仁徳天皇を王神と仰ぐ社。
第二次大戦の戦火で
神輿庫を一つ残して
社殿ことごとく焼失。
1961年に復興されたものです。
「仁風敷宇宙」
「じんのかぜ うちゅうをしく」、
思いやりのある風が
宇宙に満ち溢れるときのこと。
表参道には「仁風敷宇宙」
そして「徳化洽乾坤 」、
「とくか けんこんす」。
人を思う慈しみは行動
となって天と地に広がるとの意。
頭二文字で「仁徳」。
常夜燈には「安永年間」の刻。
高津宮には高津の富亭、
「くろもん寄席」が開かれています。
盛り立てていた五代 桂文枝さんを
偲んでの記念碑もあります。
境内の絵馬堂。
その前には「大阪市歌」の歌碑。
1926年(大正10)の大阪市歌、
「高津宮の昔より
代々栄えをかさねきて
民のかまどに立つけむりの
にぎわいにまさる大阪市…」。
「坂田藤十郎襲名記念 絵馬奉納」
高津宮は『夏祭浪花鑑』の舞台、
団七九郎兵衛扮する藤十郎さん。
こちらは本殿内に懸けられている
「高津宮版 三十六歌仙絵」です。
1972年に完成をみたもの。
関西画壇の重鎮、
菅楯彦さん、菅真人さんの筆。
境内のお稲荷さんは
「高倉稲荷神社」。
稲穂
巻物
玉をくわえる狐さん。
そして「安井稲荷」というのも
境内にあります。
表参道の中程の小さな
石の反り橋「梅乃橋」。
道頓堀川につながる“梅川”が、
あったそうで名水が
湧くところとして、
浪花の宮の水源だった名残です。