京都の近代化遺産ゆ〜京都府立図書館


ファサード保存の「京都府立図書館」、
1995年の阪神淡路大震災での損傷、
新館とドッキングするような形…
コラボレーションとしては、
どうなのかと意見があるらしい。

関西建築界の牽引車、
武田五一の設計はセセッション
幾何学的な意匠がよく言えばシンプル、
平たく薄っぺらいの印象も受けます。

ファサード保存の
せいなのか?
それでもスッキリとした印象は、
黒色の屋根は大きく勾配が
取られていることのお蔭です。


端部の円形装飾など、
アールが多用されています。

武田五一は東大教授就任の道を
断念しています。
その理由の一つが西欧留学時に、
欧州で流行し始めていた
アールヌーヴォー建築との
出会いがあったとか…

恩師・辰野金吾の帰国命令に従わず、
アールヌーヴォーに陶酔していたとか…
そんな体験をもとに造られたのが、

この建物だったという評価が、
近年の研究で指摘されています。

大正時代になってからの
華やかなモダン建築とはまた違う、
重量感を備えた。
まさにモダン建築の先駆けがコレ、
ってことなんでしょう。





京都市電が図書館前にありました、
なつかしいカラーリング。

こちらは「二宮尊徳先生像
紀元2600年奉祝記念事業として、
京都書籍雑誌商組合が、
1940年(昭和15)に建立したもの。

そして京都岡崎といえば…
平安神宮の大鳥居
2004年10月に外部の塗装の塗替えを
主とした部分修理がなされています。

「登録有形文化財」になってます。

1928年(昭和13)に昭和天皇大礼を
記念して建てられたもので、
鉄筋コンクリート及び鉄骨造で、
高さ24m、幅18mもあります。

明神鳥居という形式で、設計は
京都府技師の阪谷良之進さん。
当時国内最大だったそうです。


「京都府立図書館」
竣工年:1909年(明治42)
改修年:2001年(平成13)
設計 :武田五一
構造 :煉瓦造3階建(ファサード保存)
所在地:京都市左京区岡崎成勝寺町9

阪谷良之進(さかたにりょうのしん)(1883-1941)
大正から昭和初期にかけて奈良・京都にて
文化財修理技師を歴任,その後文部技師として
全国の古社寺修理の監督を務めた人物。
京都での主な実績
 豊国神社 摂社 貞照神社本殿、知恩院 納骨堂

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