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京都モダン建築祭2022 京都市役所本庁舎 正庁の間

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京都市役所の" 正庁の間 " ながらく手狭だった庁舎内の 貴重なスペースとして、 会議室などに転用されてきたとか… 西洋風の演壇を再現し、 壁面を光沢のある織物を使った 「緞子張り」での復元 … "正庁の間"にかけられたのは 1億1600万円とか 。 古い写真を参考に復元したそうです。 アカンサスの意匠なのでしょう。 実質8千億円以上の借金を抱える 京都市は借金返済の積み立て、 減債基金も2005年度から切り崩しを… 2010年には基金も枯渇状態に。 破綻を意味する" 財政再生団体" への 転落の危機に直面しながら、 これらの豪奢な市役所整備は、 不満の声もあったそうです。 柱周りの天井装飾も凝られたもの。 屋上にも上がれることができました。 デッキ仕様になっていて 屋上庭園 に… 後ろに見えるのは景観論争でかつて 話題となった" 京都ホテルオークラ "、 壁となって東山が臨めません。 イスラム風の柱頭飾り も間近に。 塔屋にはさまざまな造形がみられます。 毛筆をかたどったタブレット に、 正方形の凸凹はインド的造形とか。 バルコニー下部の石造り の " 舟肘木 (ふねひじき)"をモデルとした 支えなど… 中国・インドまで含めた 東洋的モチーフがそこかしこに 。 建物の内外で一貫してのこの手法は、 近代建築史上とても貴重なもの。 改修工事の大きなねらいは、 高い耐震性能と災害時の 中枢機能の向上とされています… 本庁舎下には新たに 免震装置 。 放置自転車対策のための 自転車置き場 や、 地下通路の整備 など… 自由に見回れたのは金曜日のみ… 土日はガイド付きではありましたが、 人数制限があり10時スタートでも 長蛇の列 ができていました。 ★ 京都モダン建築祭 公開データ ★ 京都市役所本庁舎 公開日時 : 11月11日(金)-13日(日)        11月11日自由見学        11月12日-13日スタッフ引率見学 公開エリア: 正庁の間、市会議場 竣工年  : 第一期 1927年(昭和2)        第二期 1931年(昭和6) 改修年  : 2021年 構造・規模: 鉄筋コンクリート造        地上4階、塔屋、地下1階 設計竣工時: 顧問 ...

京都モダン建築祭2022 京都市役所本庁舎 市会議場

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国会議事堂本会議場の次に、 よくニュースで目にするのは、 京都市会会議場 でしょう。 政治論戦での露出というよりも、 年に1回かならずここが映される。 "祇園祭"の山鉾巡行順のくじ取り式 は、 ここで執り行われるのです。 "京都モダン建築祭"、 11月11日のみ自由見学日、 その訳は 土日は閉庁日 なので、 スタッフ引率見学 でした。 金曜訪問で正面玄関から入庁です。 現在の 京都市役所本庁舎は三代目 、 1927年(昭和2)4月に一期、 1931年(昭和6)8月に二期、 鉄筋コンクリート造として 関西建築界の父 "武田吾一"監修 のもと 竣工されたものです。 100年の歴史を刻まれた庁舎は、 京のシンボル でもありました。 しかし 耐震性能の不足 、 執務室の狭隘・分散化 による 経費負担が重なっていて、 バリアフリー化 も大きな課題でした。 2017年から改修工事を着手、 ようやく2021年にほぼ完了。 これからも周辺整備などが 図られていく予定だとか… 正面車寄せの天井部分も、 軽量化 が図られたようです。 正面階段は基本的に従来のままですが… 正面階段踊り場には、 京都の四季を表現したス テンドグラス 、 作家の 佐々木真弓 さんの寄贈。 こちら "モニュメント時計" は、 京都市章である 御所車 がモチーフ、 12 のパネルには行事や風物、 そして唐草文様が描かれています。 1月 西陣織 、2月 結納飾の水引 、 3月は 清水焼 で桜、4月 京竹工芸 、 5月 京漆器 で昇り鯉、 6月 花菖蒲を 彫金 で… 祇園祭 に 大文字 と京都の歳時記が 意匠として鏤められています。 そして 漆塗りエレベーター扉 、 加飾は使用済小型家電回収の リサイクル金 が使われています。 「扉に手を触れないで!」 の 立て看板の注意書き… 中央エントランスの石膏彫刻や 葱花型アーチ は、 剥落を部分補修したそうです。 創建当時の姿を目指した 改修が図られたそうです。 市会議場も100年の使用を超えて… リニューアルされています。 議場正面の 3連型照明 は、 元の議場のものです。 また 正面アーチは漆喰造り 、 インド建築 の影響がみられます。 織物の裏に紙などを張ることなく 布そのまま壁に張る...

京都モダン建築祭2022 京都国立近代美術館

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平安神宮の大鳥居 を映すのは、 京都国立近代美術館 の北東角の 階段がある部分。 岡崎公園は明治に建てられた 平安神宮を軸にした左右対称で、 国立近代美術館の京都分館 として、 設立されたのは1963年のこと。 オープン当初は 京都市勧業館の別館 、 改修して美術館として開館しました。 現在のみやこメッセの前身にあたり、 室戸台風からの復興建築として 寄付が募られ" 商品陳列所 "として 建設されたものだったそうです。 京都産業振興のために工芸品を陳列… 美術館として運用をはじめると、 展示室の一部を仕切り収蔵庫にする ほどに狭隘な状況が続いていたとか。 新館建設の機運も高まったとこで 1973年に設計を 槇文彦氏 に選定、 10年余りの計画期間を経て、 京都国立近代美術館 が誕生しました。 名古屋大学豊田講堂 をはじめ、 アメリカ・ニューヨークの フォー・ワールド・ トレード・センター … 建築界のノーベル賞といわれる プリツカー賞受賞など、 世界的に評価の高い 槇文彦 さん。 30年近い時間をかけて 代官山のイメージをつくりかえた " 代官山ヒルサイドテラス "は、 街の姿を建築によって変えた… プロジェクトへの評価が高いとか。 1986年に竣工してから30年余り、 300近い展覧会が行われてきました。 展覧会もさることながら、 建築そのものを目当てに訪れる 学生や建築家も少なくありません。 そもそも岡崎公園エリアの建築は、 大鳥居よりも高く建てることが 許されていない のですが、 槇さんの設計の工夫により、 開放的空間が確保されています。 グレー質感の外見が、 一転して 白い大理石の空間 へ。 2階の面積を抑えることで、 高い天井のエントランスや ロビーが設けられそして大階段。 石と硝子、鉄素材… 多様な材料で溢れています。 外壁を構成しているのは ポルトガル産の花崗岩 。 館四隅のガラス張りの階段室、 北東角の階段室からが、 " 京都モダン建築祭 "の 特別公開への入り口なのです。 普段はバックヤード… デザインはそこでも惜しみなく。 いざ2階へ " 2階渡り廊下 "… 先にみえるのは事務室の扉、 特別公開はその手前まで。 Uターンして…そこで終了 です。 "京都モダ...