東大寺 南大門を見上げて...


青空に映える東大寺 南大門を見ると、
遠足に来たような気分になるからフシギ。

藤原時代の末に宋から伝わった建築様式で
建てられている二重門、
実は「大仏様」という建築様式で建てられた
純粋なカタチを残しているのはこの南大門と、
兵庫県にある浄土寺浄土堂だけなのだと言われる。
大仏殿を始めとして灰燼に帰した東大寺の再建に
力を尽くした重源の復興事業で残る建造物は、
実はこの南大門が残るのみなのである。

大仏殿は建久元年(1190年)年に再建、
南大門は正治元年(1199年)に行われたのだが、
大仏殿の方は…
戦国時代の永禄10年(1567年)にも焼失、
現存しているのは
宝永2年(1705)再建の三代目である。

大仏殿が目前に見えてくるし、
ついつい阿吽の像に見とれがちだが、
見上げてみると
何段もの「」と呼ばれる水平材が見事。
実はこの貫こそが、大仏様最大の特徴だと言われる。
シンプルであるが故の合理的な建築法は、
高い耐震性を持っているのである。

ちなみに阿形は運慶
(うんけい)と快慶(かいけい)
そして12人の仏師の手によるもの。

吽形は定覚
(じょうかく)と湛慶(たんけい)の作品。
吽形が「うんけい」という訳ではない。。。

そして軒を支える組物は、
「挿肘木」
(さしひじき)を六段に組んだ
「六手先」
(むてさき)と呼ばれるもの。
柱と貫とで構成される大仏様は強度が高く、
また使用する木材も少なくて済むのが特徴で、
豪快で大陸的なフォルムを形作っている。

内部の貫のピッチが二層目の屋根の
レベルまではだんだん広くなっている。
見上げた時に高く見えるのはこんな理由だとか。

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