「龍虎画賛」 仙厓 筆 <出光美術館名品展より>

「龍虎画賛」 仙厓 筆
 (りゅうこ がさん せいがい ひつ)
   出光美術館 蔵


是何曰龍 
人大笑吾亦大咲

猫乎虎乎
将和唐内乎

龍 を描いてみてもどこかユーモラスで
龍には見えず、
皆で大笑いをし、
描いた 仙厓 自身も苦笑した。






虎 を描いても 猫 のようになってしまい。
 近松門左衛門 の『 国姓爺合戦 』の主人公で、
 中国に渡って 猛虎 を従えた 和唐内 のようだのようだと
 書き加えねば 虎 であることがハッキリしない...
     と 仙厓 の自嘲気味な 賛文 が添えられています。

虎 の 賛文にある『 国姓爺合戦 』の
 和唐内(わとうない)とは、近松門左衛門 が作ったの 人形浄瑠璃 で、
歌舞伎 の演目にもなっている『 国性爺合戦 (こくせんやかっせん)』の主人公です。

国性爺 とか 和唐内 は 俗称 で、実在の人物 鄭 成功 (てい せいこう) がモデルです。
 鄭 成功 は、中国人を父に、日本人を母に持った、
 超人的活躍で 明朝の復興 に尽くした人物でもあります。

和唐内 というのは、
和(日本)でも 唐(中国のこと)でも内(ない)、という洒落になっています。

ところで、、、香川県の 白鳥町 の氏神 白鳥神社 に
『 国性爺合戦 』のストーリーを取り入れた
 虎 をモチーフにした獅子(しし)舞 があるそうです。
 和唐内 と虎とのにらみ合うシーンが、一層舞に迫力を見せているとか。。。

仙厓 の 虎 は 自由自在に描かれているので、
 禅画ではあるけれど、漫画のようでもあります。

親しみやすい 虎 のすがたは、
どこか大量点を取った次のゲームに完封で押さえられる
 タイガースに通ずるところがありますね!!

☆ 仙厓とは??
仙厓 義梵 (せんがい ぎぼん)(1750〜1837)は、臨済宗 古月派の僧。
横浜 保土ヶ谷・東輝庵(とうきあん)に住する月船禅師の法嗣となる。
そして諸国 行脚(あんぎゃ)ののち39歳の時、博多に下り、
翌 年 聖福寺の住持となる。文化8年(1811)、62歳で法席を
退いて虚白院 に隠棲(いんとん)し、人々に詩文や書画を描き与えた。
禅の境地をわかりやすく説き示す軽妙 洒脱でユーモアに富んだその
味わいは、人々に広く愛されてきた。   ( 出光美術館 HPより)
            
            

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