2016年11月27日日曜日

村野藤吾のファサード⑩ 浪花組本社ビル


凹凸が繰り返された
外観は集合住宅?、
夜になると当ビルだけ明りがなく、
ミナミの繁華街のど真ん中に立つ、
浪花組本社ビル」。
その異様ともいえる姿から、
ホステスさん達に「幽霊ビル」と
呼ばれていたそうです。

全貌はイケフェスサイトより…

異形のファサード”は
何を示すのか…

「これははたして本当に
 “老大家”のデザインであろうか、
 と思わず訝ってしまうような
 外観をみせるような作品」とは、
2000年に出された
外の装い―素材とファサード
  (村野藤吾のデザイン・エッセンス)
  にあるコトバ。

2階から4階には「霰亀甲文」、

段亀甲文」をベースに
変り蜀江文」を加味してできた
三角形、四角形、五角形、

菱形、六角形などなど。

道路沿いの洒落た鉄製デザイン。

そのなかに
好きやねん大阪」の碑石。



“異形のファサード”を西島業士さんは、
こう解説していました
「それは俗悪な建築が街区を
 席捲していく都市の現状、
 その抗い難い変貌に対する
 村野の危惧があり、
 建築家としての責任・矜持から
 その思いを形体にアピールする
 デザインとすることであったと。」

“魔神”のようで“毘沙門天”の
イメージを重ねたともの“寓意”も。

左官業を本業とした浪花組さん、
オフィスビルらしかなぬのが、
「時」を語る形になったのだと、
そんな風に感じさせます。




「浪花組ビルディング」
(住実ビル)→浪花組本社ビル
竣工年:1964(昭和39)年
設計 :村野藤吾
構造 :鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造

このブログは先の文献などを参考にしました。
※『村野藤吾のファサードデザイン:
  図面資料に見るその世界』2013年

 「「時」を語るー“寓意”としての建築」西島業士

産経WEST【都市を生きる建築(20)】
「繁華街を圧倒する凹凸外観」