2018年8月17日金曜日

瀬戸田をあるく~耕三寺


西の日光ともいわれる
孝養門」を擁する
耕三寺博物館へ…

耕三寺博物館は、
浄土真宗本願寺派の仏教寺院。
寺歴は新しく、
実業家「金本福松」さんが、
母親の故郷の尾道市瀬戸田で、
菩提追悼のためのお寺。

1936年(昭和11年)から
伽藍の建立が始められました。
約30年間かけて伽藍整備が
進めるられるなか、
耕三寺耕三」と改名、
町内の病院の新設や
学校の新校舎の新築などに貢献、
瀬戸田名誉町民にもなった人です。

9時に開門…

山号は潮声山
こちら「中門」で原型は、
法隆寺の西院伽藍の楼門。
飛鳥時代のエンタシス柱が再現。

朝方に咲く蓮たち。

「礼拝堂」

蓮シャワー

階段をみあげると…

女人高野で知られる
奈良県 室生寺の五重塔
モデルにしたもの。
室生に滞在して図面を作り、
1955年に完成。

室生寺のは柿葺ですが、
こちらは銅板葺です。
心柱には鋼管が使用、
金本氏は日本の鋼管溶接技術の
パイオニアと言われる人、
特殊鋼管の製造会社を
大阪で設立して成功を
収めた人物なのです。

こちらは球形給水タンク。
初代住職が成功した
ガス溶接技術家業を
伝える記念碑として
残されています。

五重塔を挟みこちら「法宝蔵」
大阪・四天王寺の金堂がもと。

そして日光の陽明門が再現…

孝養門の建立は、耕三寺最大の
プロジェクトだったそうです。
実測図面を得るために文部省に交渉、
さらに各部の工匠たちを日光に派遣…

約10年かけ1964年に完成。

日本各地の著名な歴史的建造物が
忠実に模されていることは、
国も高く評価していて15件が
国の登録有形文化財の指定を
受けているのです。

陽明門との大きな違いは、
彫刻、金具、彩色に仏教様式が
取り入れられていること。

昭和を代表する彫刻家の作品です。

鳳凰が羽ばたく「本堂」

10円玉でおなじみの
平等院鳳凰堂がモデルです。

最近 本家の平等院も朱塗りが
改めて施されましたが…

こちらもっと赤いです。

右手奥には多宝塔
こちらのモデルは滋賀の石山寺

本堂下には千仏洞地獄峡

出口には救世観音大尊像
法隆寺夢殿の本尊、
秘仏 救世観音が手本。
15mにもなのです。

袂には二分の一に縮小の
夢殿原型の八角円堂。

「世の母はみな観世音花の春」



まさに日本建築の博物館…
ダイジェスト体験ができました。


2018年8月15日水曜日

瀬戸田をあるく~向上寺

瀬戸田水道を見下ろす
潮音山(ちょうおんざん)に建つ
国宝 三重塔。
町の北鬼門の鎮護として立つ、
本尊の聖観世音菩薩は、
町の災いを防除して、
興隆繁栄の祈願寺として
崇敬される向上寺
西日本豪雨の影響もあって、
倒木やがけ崩れなどで、
別ルートは塞がれていました。

案内地蔵に導かれます。
しおまち商店街を通って、
登山道を徒歩で片道約20分ほど。
振り返ると謎の白い巨塔??

創建は応永10年(1403年)、
生口島を統治していた
生口守平(いくちもりひら)開基、
三原の仏通寺(ぶっつうじ)
開いた仏徳大通禅師こと
愚中周及の開山。
向上庵を起源。
当時は仏通寺と同じ臨済宗…
その後に一時衰退し、
慶長期に阿伏兎観音
盤台寺の僧侶 関的にて再興、
その際に曹洞宗へと改められた。
生口氏は平家の流れを汲むが、
源平合戦において源方に尽力、
安芸国沼田荘の地頭に。
生口島は瀬戸内海航路の要衝、
生口氏は交易により繁栄を遂げ、
室町幕府に正式に生口島の
地頭職を認められていました。
国宝の三重塔の中では
1432年(永亨4年)の建立、
最も新しいものです。
拝観料100円をポストに入れ…
さらに石段をあがると…
朱で塗られた部材に、
白壁や極彩色の彫刻が映える
三重塔が青空に聳え立つ。
軒を支える三手先の組物から
突き出た尾垂木(おだるき)下の
肘木鼻(ひじきばな)
植物の葉をあしらった若葉の
彫刻には力強さを感じさせます。
右下の組物間の中備(なかぞえ)には、
蓮の花弁のような蓑束(みのづか)は、
厳島神社の五重塔にもある意匠。
扉の軸を受ける藁座(わらざ)にも
蓮の葉の彫刻が施されています。
実は他に例が無いそうで、
向上寺 唯一無二のものとか。
国宝指定の三重塔の中では最小。
連子窓の代わりに花頭窓
鎌倉時代に禅宗と共に
宋より日本に伝わった建築様式。

禅宗様を大胆に取り入れた、
折衷様であることが
国宝たる所以なのです。
1973年の解体修理時に、
使用部材の大部分が
建立当時のものと確認。
1982年には彩色の塗り替え、
往時の輝きが蘇ったそうです。
内部はほぼ和様の構造だそうで、
初重には大日如来が安置され、
内陣も極彩色装飾に壁画…
ただ劣化や剥落が著しく、
絵柄が不明な部分もあってか、
復元はなされていないそうです。
「せとうちの
 しおのながれに たどりつき
 おじひをといて みなをすくわん」