イケフェス 2016〜 生駒ビルヂング


「生きた建築ミュージアム
 フェスティバル2016」
略して[イケフェス2016]レポ。
まずは…堺筋の生駒ビルヂングより。

イケフェス2016 生駒ビルヂング

[ガイドツアー] 事前申込 各回定員20名
日時=11/5(土)・6(日) 両日とも
①13時30分~、②14時30分~、③15時30分~
「1920~30年代に流行したアール・デコ。
 この全ての特徴を堪能できる

 『生駒ビルヂング』。
 開業当時のままの内部の美しさや
 通常非公開の屋上で時計塔の迫力を
 体感できる数少ないチャンス!」

[1階ロビー・地下サロン 特別公開]
日時=11/5(土)・6日(日) 13時~17時

[生駒ビルヂング 点鐘式]
日時=11/5(土)・6(日) 両日とも13時
事前申込のガイドツアー
1階ロビー・地下サロン 特別公開、
そして点鐘式に参加しました!
昭和初期を示す手掻きの
スクラッチタイル




生駒ビルヂングは1930(昭和5)年、
輸入時計などを扱う
生駒商店本店として、
堺筋に建てられたものです。

もとは1926(大正15)年に、
設けられた堺筋出張所
あったところです。

堺筋を見下ろす“”は、
設計段階では知恵の象徴である
フクロウ”だったそうですが、
日本に馴染みなかったので
変更されたという話。

5日の点鐘式に参加!
かつて時計台にあった鐘は、
ロビーに下ろされていました。
英国製の鐘には1930年竣工の年、
そして1870年とあるのは、
鐘を製作した会社の創業年とか…

室内で鳴らすので、
点鐘式はハンマーで八点撞
大阪がこれからも
ハッテンしますように”と、
社長さんから願いを込めて。

こちらは旧エレベーターの表示板。

エレベーターは、
現在は閉鎖されて別の位置に。

主階段の手すりは
イタリア産の大理石。

地下ホールの前に
「IG」のステンドグラス。

実は生駒時計店のルーツは、
大権堂」という小間物屋。
生駒家8代目の生駒権七さんが、
1870(明治3)年に創業されたもの。



特別公開の地下サロンへ…





ゆかりのある品がズラリ。
毎年少しづつ、
変更されているそうです。





もう一つの階段から戻ります。

裏階段は、
狭い空間を捻りあげるよう。
左官仕上げが絶妙です。



こちらはシャンデリア
今は逆向きにオブジェとして。





踊り場の壁のステンドグラスは、
もとはショーケースを
飾っていたもの。
こちらに移設されたそうです。



いよいよ内部見学へ!

その前に今も伝わる金庫室。
貴金属類の保管のためのもの。



屋上へ!

こちらは堺筋から見える
正面装飾のトンガリです。

そして時計台をマジカに!
ヨコに立つ煙突は、
かつてのセントラルヒーティング
名残なのですが、金属接収で
ボイラーそのものが供出され、
無用の長物となったとか。



かつての機械仕掛けの時計は
メンテナンスが難しく、
「時計屋なのに時間が合ってない、
 とよくお叱りをうけました。
 イマは電波時計なので」




塔屋のなかは物置がわりに。。。

どこかにあった時計も。

もともとは三方向にあった時計板、
南面のものは地上から見えないので、
針が外されていました。



2002年に耐震補強とともに
大改修の末に
テナントオフィスビルに、
新たに採光窓などが施されています。

こちら唯一空きスペース。
受付にコンシェルジュを備えた、
サービスオフィスは人気とか。



生駒ビルヂングが誕生したのは、
平野町通が拡幅となり、
出張所も軒切りされることに
なったため、新たにビルを建設。

「生駒時計店」となったのは、
戦後1954(昭和29)年のこと。





設計は宗兵蔵さん。
柴島の水道記念館、
そしてライオン橋の難波橋が、
現存設計として残されています。

実はアールデコ調
生駒ビルヂングは、
宗が平面計画。
京大を卒業したばかりの、
大倉三郎脇永一雄
若手が担当したもの。

37 生駒ビルヂング
所在地 :中央区平野町2-2-12
建設年 :1930年
設計  :宗建築事務所 / Y’s建築設計室

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