下鴨さんを往く 弐 お白石持神事
第34回 賀茂御祖神社式年遷宮の神事のうち、
「お白石持神事」を勤めて参りました。
糺の森の入り口参道南口 鳥居あたりで
初穂料を納めて、好みの白石を白布に包んで
御本殿前を運ぶというもの。
かつては、鴨川のお石の場から
崇敬者が寄ってお運びなさったようですが、
社地も小さくなったこともあって...
正遷宮の時に合わせて
御本殿御垣内に御祓いをすませた白石を
元に戻すという神事になったということ。
御手洗池にて清めます。御手洗池は葵祭のときに斎王代さんが、
池に手を浸して清める「斎王代禊の儀」が
執り行われるところでもあります。
この池に湧き上がる水あわ をかたどったのが
「みたらし団子」なのです。
加茂みたらしの一番上の団子は、
少し離れているのです。
人形をかたどっているからだと伝わります。
池の上に建つ「御手洗社」。
別名「井上社」と呼ぶのは、
井戸の上に祀られることからなのだそうです。
祀られているのは女神様。
蟇股の彫刻が艶やかでした♡
ところで下鴨神社の式年遷宮の間隔は21年。
孝明天皇の勅によって、
幕末の1863年(文久3)に定まったという。
ちなみに出雲大社は60年...
今の本殿が建てられたのが
1744年で1809年に修繕されたので、
60年毎の修造遷宮となったが
定着したというのが事の始めなのです。
ちなみに「お伊勢さん」は 20年に一度、
正殿を造り替え遷宮している。
本来は宮移しなのですが、
賀茂御祖神社では傷んだところを直す、
ボクの運んだ「お白石」も次の21年まで
本殿の聖地を清めるということになります。
ところでなぜ20年なのか?
伊勢神宮の小堀邦夫 禰宜の説によると...
「穀物の備蓄を前提に社会計画を立て、
糒を貯蔵した20年を目安に式年遷宮という
国家の事業を定めたのではないか」とか。
税のカタチでもあった蒸した米を干した保存食
「糒(ほしい)」の貯蔵期間20年に由来するという話。