天満寺町コンクリ寺めぐり⑪ 寶珠院の油掛大黒天


寶珠院は境内は大きくありませんが、
神仏が混沌とされております。
こちらは"油掛大黒天"さま、
胡麻油の香りが漂っていました、
水ではなく胡麻油を掛けるのです。

4月の花祭りにお釈迦さまに甘茶
掛けて祈願するならわし…
お地蔵様にも水を掛けて
祈願することがふつうで、
"水掛不動尊"もお隣に
いらっしゃいました。

凛々しいお姿…
なぜか不動尊さまは
苔むしていないか不思議です。

「油は心静かにゆっくり
 周囲にこぼさぬよう…」

大黒様に油を掛けて祈願する、
故事・由来はいくつか伝わります。
その1
商人が路端の大黒天像に誤って
油を掛けてしまったところ、

罰が当たるどころか、
商売が繁盛するばかりでなく、
家族にも良縁が舞い込んだとか。
大黒様の御加護に違いない」と感謝、
大黒天を祀りその後も油を掛けて祈願。

その2
油売り商人が、
毎日の油の売り上げで供物を求め、
大黒様にお供えしていたが、
商売が不振で大黒様へのお供えを
用意できないため、
売り物の油を注いでお供え代わりに…
翌日から商売が繁盛とのこと


その3
五穀豊穣を司る神様の大黒天、
庫裏や台所に祀られることが多く、
煮焚きをするかまどの煤で、
真っ黒になる大黒様

油で磨いていた。
このことが油を掛けるに転じた

その4
大黒天を日本に伝えた密教には、
大聖歓喜天の像を油に浴して
大願成就を願う"浴油供"の秘法あり。
闘戦塚間浴油神との別称の大黒天、
灰身を油に浴して願い事を
叶える天神とする説もあるとか。

七福神のお仲間もおられました。
こちら弁財天さま…

こちらは?毘沙門天?
稲荷神として知られる
"荼枳尼天"さまです。ダキニ天とは、
伏見稲荷大社の稲荷様とは異なります。
胎蔵界曼荼羅外金剛部院に配され、
修法をすれば通力が得られるとか。
跨がれているのは白狐さま。
豊川稲荷に祀られているのは、
荼枳尼天さまです。

古今著聞集』によると…
関白 藤原忠実は強く願っていた
願望をかなえるべく"荼枳尼天法"
という祈祷を行わせると、
七日後に狐が現れて、
お供え物を食べていきました

さらにその七日後、
藤原忠実の夢の中で絶世の美女
女性の美しい髪を握ったところ、
髪が切れるというところで
目が覚めると、手には狐の尾

ちなみに比叡山の守護神の大黒天は、
大黒天・毘沙門天・弁財天」の
三天合体の"三面大黒天"なのですが、
天台宗の僧 光宗
天台の故事や諸説を整理した著
渓嵐拾葉集』の「三天三密事」。
この三天が大黒天、弁才天、
そして荼枳尼天なのだそうです。
トリムルティとして考えた三天は、
"いろ、ことば、こころ"の象徴とか。

天満宮をさまざまな諸天が
お護りされていました。

トリムルティとは?
 ヒンドゥー教において3人の神である
 創造神ブラフマー、繁栄神ヴィシュヌ、
 破壊神シヴァが本来1体であるとする考え。

※このブログは
 日本植物油協会 植物油こぼれ話
 「油をかけて福をいただく油掛大黒天
   を参考にしました。

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