天満寺町コンクリ寺めぐり② 妙福寺~清正信仰のモダン寺


天満寺町通にある教会と見まがう
実はお寺でして詮量山妙福寺です。
1945年の大空襲で全焼し、
1965年再建されたのだとか…

この地に開創されて400年、
1616年(元和二年)といえば、
1615年の大坂夏の陣
廃墟同然となった大坂城が、
大坂の町の復興に努めるよう
家康の孫である松平忠明に与えられ、
南の空堀付近に中寺谷町、
北の天満付近にも寺町を置いて
ここに寺院を集結させました。
寺町は有事に兵を駐屯できる
前線基地という思惑があります。


一方で時同じくして柏原今町にある
"了意川"には船溜りが作られ、
"柏原船"が大坂の流通を支えていました。
船株主の三田浄久の甥を出家されたのが、
本宗の僧侶 廣演院日容です。

大坂城において勤修された
豊臣家の法要に参列するため来阪の、
加藤清正は暗殺を恐れて当山に
宿泊したことがあるそうです

その後"清正公信仰"が盛んとなって、
大坂一のご利益があるといわれ、
祈願成就の幟が立ち並んでいたとか。

江戸末期の"天満の大火"や
"大塩平八郎の乱"からも免れ、
明治期には豪商の檀家に守られて
大阪市内の日蓮宗の寺院としては、
三ヶ寺という五人以上の
"庶家さん"がいる大寺院でして、
中津には末寺の導通寺があったそうです。

しかし大阪大空襲などにより焼失、
焼け跡に導通寺が移設され、
1965年まで使用されていましたが、
二十四世 日海上人が一念発起。
二十五世 日敬上人とともに尽力され、
現在の妙福寺建立が果たされました。

寺門が閉じられていましたので、
正面からの写真がありませんが、
花が供えられているのは兎と亀?
あらためて訪ねてみたいと思います。

屋上に立つのは宝塔を表すのか

ググると…
銅板葺きの屋根がみえる妙福寺、
東大阪市鷹殿町にある
プラスワン建築設計事務所
WORK集に
JCE南森町+妙福寺客殿の記事。

完成3Dはこんな感じ…
"JCE南森町"はマンションです。
9階建で人気の賃貸物件だそうで、
賃貸情報によると満室。
鉄筋コンクリート造鉄骨造…
"コンクリマンション寺"(・ω・)v

清正公信仰とは、豊臣秀吉の子飼いの
武将・加藤清正日蓮宗の篤い信者で、
各地に日蓮宗のお寺を開創したり、
熊本藩主時代の事業成功もあり、
清正没後に日蓮宗を中心に
信仰が始まったといわれています。
いまも多くの日蓮宗の寺院で
祀られているのだそうです。

マンションエントランスの上、
ここが庫裡客殿で2016年に
収益事業として建設

妙福寺さんのFacebookより…
畳敷きで襖があるけど、
かなりスタイリッシュ。

マンション棟は裏から見ると…
お寺さんが経営されるとは、
露とも思えず。


詮量山 妙福寺
[せんりょうざん みょうふくじ]
創建:1616年 廣演院日容(三田浄久)
宗派:日蓮宗
本尊:題目宝塔
住所:大阪市北区末広町1-5

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