日本人の嗜好をさぐる⑤ 酒
《教訓親の目鑑 俗ニ云ばくれん》
喜多川歌麿
渡り蟹をしかっと持ち、
ガラスの酒器でぐっと呑む。
「ばくれん」とは、
世間ずれであつかましい?
山形県の亀の井酒造には、
同じ銘柄酒度+20の
超辛口吟醸酒とか…
《酒や娘おみわ 中村歌右衛門
一世一代》
歌川国貞
ほとんど家呑みをしませんが、
お酒は嗜む程度(笑)
一説によると、
江戸の人口割で1人あたり
1日2合の酒を飲んでいたとも。
清酒の大半は上方からの、
樽廻船で運ばれてきた「下り酒」。
ただ江戸時代の酒は、
度数の半分くらいで、
さらに水で薄めていたそうです。
《狂戯(たわけ)芸づくし》
安藤広重
一升はくだらない…
そんな酒豪自慢も、
五合程度かも知れません。
参勤交代での江戸詰めは、
いわば単身赴任でした。
ほぼ下級武士は長屋暮らし、
国元に帰れると
喜んでは酒を呑み、
殿様の江戸置きで、
嘆いてヤケ酒。
《大江山福寿酒盛》
歌川国芳
ただ単身を謳歌…
酒宴には色気は付き物で
ございまして、
いつの世も代わりませぬ。
《三拍子娘拳酒》 歌川国芳
お酒は何処で誰と…
そして盃は人と人を
繋ぎます。
そして絆が生まれますね。
《盃》 歌川豊国