神のつかわしめ たち⑥ 兎〜宇治神社・宇治上神社


宇治市「菟道」という地名…
イマは「とどう」と読みますが、
山城国・宇治の古代表記で
かつては「うじ」と読み、
我が庵は 都のたつみ
 鹿ぞ住む 世をうぢ山と
 人はいふなり


宇治神社境内にある
喜撰法師の歌碑。
『宇治市史』では…
北も東も南も山に囲まれ、
かつて巨椋池
西を閉ざされた。
これらの内にあるから
いつしか「うじ」と呼んだとか。

中ノ島には宇治川先陣の碑、
平等院の対岸へ「朝霧橋」を
渡ると…

宇治神社の朱い鳥居…
平等院鳳凰堂の完成後、
宇治に来訪する貴族の
信仰も篤かった杜。

手水舎には神兎

その向かいに小さな花を
多く咲かせているのは、
ネズミモチ」という木。

社伝によると…
この辺りは応神天皇の離宮跡
皇子 菟道稚郎子命
宮居の跡とも伝わります。
宇治上神社では仁徳天皇と
応神天皇ともに三柱。
こちらは菟道稚郎子命
一柱だけのお祀り…
弔いの意味が強い
考えられています。

宇治の産土神ではありますが、
王仁博士から儒教などを授かり
学問の道を極めたとして、
学問の神さまとしても
崇敬をあつめています。

本殿前に祀られている
みかえり兎」の像。
白くふんわりしていますが、
毎月1日に別の兎さんに
会うことができるそうです。
菟道稚郎子命が河内から宇治に
来た際に道に迷われていとき、
振り返りながら道案内をしたとか…

境内には伊勢と橿原神宮の
遙拝所があり…
かつては大きな社地を
持っていたのかと思います。
ここにも兎さん いますよ!

本殿には平安中期の
菟道稚郎子命の木造神像
安置されているとか…

かつては
宇治上神社を「本宮・上社」、
宇治神社を「若宮・下社」…
歴史的経緯や同じ神様が
祀られていることもあり、
ほぼ同じ起源と考えられています。

宇治上神社」の本殿は、
日本最古の本殿として、
国宝に指定されています。
醍醐天皇が平等院を訪れた折り、
「離宮明神」の神位を与え、
扁額には「正一位離宮大神」。

一間社流造りの三殿からなり、
平安時代後期に伐採された
木材が使われているけれど…
建立時期は定かではありません。

まず境内にはいると拝殿。
両脇に清めの砂盛り…

前回お参りしたときは、
雨が降っていましたが…
青空に開け放たれた蔀戸
拝殿の建立は1215年頃と推定、
拝殿として現存最古。

『源氏物語』宇治八の宮
モデルは菟道稚郎子命とも…
鷹揚な性格であるが、それが災い、
世間知らずで没落していった。
あくまで光源氏の栄華の
犠牲となったのは物語です。

本殿は左殿、中殿、右殿の内殿三棟、
それを覆屋で覆った形。
菟道稚郎子命応神天皇の寵愛を受け
皇太子となるものの即位はせず、
異母兄弟である仁徳天皇
皇位を譲るべく自害した人物。
内殿にそれぞれの三祭神と
祀られているのです。

宇治上神社の神使みくじは、
前向きの兎さん。
上向きでもあります。

平等院鳳凰堂
開帳されていませんでした。

「世界疫病病魔退散」
あせらず!せかず!前を向いて!
一歩づつ みんな一緒に(・ω・)v

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